UFCの開催がなくても、ラスベガスはMMAのメッカだ。2日(金・現地時間)のRFA04に続き、翌3日(土・同)にはUFCの常設会場であるMGMグランドやマンダレイベイを1キロ弱北上したプラネットハリウッド・リゾート&カジノでWorld Series of Fighting(=WSOF)の旗揚げイベントが行われる。

レイ・セフォーが社長に就任し、かつてWECやUFCを中継していたVersus、現NBC Sport Networkで中継されるWSOF。OFCからWSOFと、非UFCの顔的になってきたアンドレイ・オルロフスキー、契約体重無視のレッテルを貼られながらも、引っ張りだこのアンソニー・ジョンソンはライトヘビー級で出場となった。UFCをリリースされた軽量級のパイオニア、ミゲール・トーレスに第3世代グレイシーのグレゴー、そしてブラックジリアンでMMAを学ぶタイロン・スポーンが、ついにMMA初陣を迎える。

上記にあるように、トップ3カードは元UFCファイターが並び、他の2試合もグレイシー、そしてキック界の大物とビッグネームが目立つ一方で、対戦相手はピンとこない名前が多い。だが、デヴィン・コールにしてもDJ・リンダーマンにしても戦績では17勝9敗のオルロフスキーと13勝4敗のジョンソンに遜色のない20勝9敗1分、13勝3敗という結果を残している。

ミゲールの相手のマルロン・モラエスこそ8勝4敗、ROCでデビダス・タウロセビュチスに敗れているなど、やや荷が重いファイトか。デビュー戦のスポーンは、7勝2敗のトラビス・バーネットと対戦する厳しい初陣となるだろう。そんなビッグネームに甘くないメインカードを組むだけあって、アンダーカードは、さらに勝負論の懸かった好カードで占められている。

UFCリリース後、1敗を経て12連勝中のホニ・トーレスと、同じくリリース後に日本の横田一則、BFCシーズン7フェザー級Tで勝ち残っているラッド・マルチネスに勝利しているブライアン・コップの一戦は、怒涛の寄りから柔術家らしいテイクダウンで勝負を懸けるトーレスをレスリング・ベースのコップが如何に切っていくか。

ジェラルド・ハリス×ジョシュ・バークマンのUFCベテラン対決、ヘンゾ門下のデビッド・ブランチ、S-CUP出場が決まっているJZ・カバウカンチ、元BFCファイターのスティーブ・カールなど、中堅プロモーションではメインカードに入っておかしくないカードやファイターがアンダーで続々と登場するのが、WSOFの特徴といえるだろう。