「ぼく」か「おれ」かで悩む瞬間
たいがいの人は、複数の一人称を使い分けている。例えば筆者の場合だと、「ぼく」と「おれ」という2つの一人称を、時と場合によって使い分けている。
ところが、「ぼく」と「おれ」のどっちを使ったらよいのか、困る場面というのがたまにある。例えば、会社の休憩時間に同期とバカ話をしていたところ、突然課長がやってきてその話の輪に加わったときなどがそれに該当する。課長が来るまでは「おれ」で通していた一人称を、課長の前でも使うのは気が引けるし、かといって「ぼく」という一人称を使うとバカ話の面白さも半減してしまいそうな気がする。
このように人生においては、「ぼく」か「おれ」のどちらを使うべきか迷ってしまう瞬間がある。このような、一人称グレーゾーンについて考えてみたい。
もっとも一般的な例が、友人と目上の人が混在しているような場である。部活の打ち上げ、会社の飲み会などはその典型例である。「結婚式の二次会」はこれの発展系であり、友人や目上の人に加え、「同い年だけど初対面の新郎の友達」といったややこしい人もいるため、いっときも気を抜くことができない。
また、恋愛関係における一人称グレーゾーンも多い。例えば、彼女と付き合う前はちょっと気取って「ぼく」という一人称を使っていた場合、付き合うことになったときにその一人称を「ぼく」のままにするか、それともワイルドに「おれ」に変えるかというのは悩ましい問題である。
「おれ」に変えるつもりでも、何となくそのタイミングを逃しているうちに「おれ」と言い出せなくなり、微妙な距離感のまま3カ月ほど付き合った後に振られたのは筆者のほろ苦い思い出である。あの時勇気を出して「おれ」を使っていれば、その後の展開は変わっていたに違いない(こともないか)。
では、一人称グレーな瞬間が最も多い、難易度☆☆☆☆☆(五つ星)の場面というのはどのようなものだろうか? 筆者独自の調査の結果として、それは「先輩主催の合コン」であると結論したい。
先輩主催の合コンは、自分の同期、先輩に加え、初対面の先輩の友人(異性)とその友達(異性)が一緒という、かなりカオスな状況になっている上に、恋愛の駆け引きが入ってくるために、その難易度は計り知れない。このような状況で痛い目にあった被害者が筆者の知人には多数おり、「気を遣って『ぼく』を使っていたら、女の子に『○○くんって何かおとなしいね』と言われた」「タイプの子がいたので思わずはしゃいで『おれ』で通していたら、翌日先輩に『お前、あんな喋り方するんだ』と冷めた目で言われた」など、どっちの一人称を使っても痛い目に会う非常に困難な状況であることがうかがえる。まあ、単純に合コン慣れしていないだけといえばそれだけである。
一度意識しだすと結構複雑なこの問題。解決のコツは、「大学に一浪して入ったので、上の学年に高校時代の同級生が混じっていた」といった、日々グレーゾーンで生き抜いてきた達人に教えを請うことである。
(エクソシスト太郎)
ところが、「ぼく」と「おれ」のどっちを使ったらよいのか、困る場面というのがたまにある。例えば、会社の休憩時間に同期とバカ話をしていたところ、突然課長がやってきてその話の輪に加わったときなどがそれに該当する。課長が来るまでは「おれ」で通していた一人称を、課長の前でも使うのは気が引けるし、かといって「ぼく」という一人称を使うとバカ話の面白さも半減してしまいそうな気がする。
もっとも一般的な例が、友人と目上の人が混在しているような場である。部活の打ち上げ、会社の飲み会などはその典型例である。「結婚式の二次会」はこれの発展系であり、友人や目上の人に加え、「同い年だけど初対面の新郎の友達」といったややこしい人もいるため、いっときも気を抜くことができない。
また、恋愛関係における一人称グレーゾーンも多い。例えば、彼女と付き合う前はちょっと気取って「ぼく」という一人称を使っていた場合、付き合うことになったときにその一人称を「ぼく」のままにするか、それともワイルドに「おれ」に変えるかというのは悩ましい問題である。
「おれ」に変えるつもりでも、何となくそのタイミングを逃しているうちに「おれ」と言い出せなくなり、微妙な距離感のまま3カ月ほど付き合った後に振られたのは筆者のほろ苦い思い出である。あの時勇気を出して「おれ」を使っていれば、その後の展開は変わっていたに違いない(こともないか)。
では、一人称グレーな瞬間が最も多い、難易度☆☆☆☆☆(五つ星)の場面というのはどのようなものだろうか? 筆者独自の調査の結果として、それは「先輩主催の合コン」であると結論したい。
先輩主催の合コンは、自分の同期、先輩に加え、初対面の先輩の友人(異性)とその友達(異性)が一緒という、かなりカオスな状況になっている上に、恋愛の駆け引きが入ってくるために、その難易度は計り知れない。このような状況で痛い目にあった被害者が筆者の知人には多数おり、「気を遣って『ぼく』を使っていたら、女の子に『○○くんって何かおとなしいね』と言われた」「タイプの子がいたので思わずはしゃいで『おれ』で通していたら、翌日先輩に『お前、あんな喋り方するんだ』と冷めた目で言われた」など、どっちの一人称を使っても痛い目に会う非常に困難な状況であることがうかがえる。まあ、単純に合コン慣れしていないだけといえばそれだけである。
一度意識しだすと結構複雑なこの問題。解決のコツは、「大学に一浪して入ったので、上の学年に高校時代の同級生が混じっていた」といった、日々グレーゾーンで生き抜いてきた達人に教えを請うことである。
(エクソシスト太郎)