この母子手帳、かなり斬新な作りになってます。

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最近、周囲の同世代がガンガン結婚していく。そして、次に訪れるのは出産ラッシュ。何とも喜ばしい限りだが、それと同時に苦労もやってくるのだろうな……。
さて、我が子ができたら真っ先に必要なのは何か? たくさんありそうだが、その中の一つに「母子手帳」が挙げられるだろう。
実は、この母子手帳の“新しいカタチ”が生まれている。博報堂生活総合研究所が今年の3月に完成させたのは『新・母子健康手帳(通称:親子健康手帳)』。

今年4月の「島根県海士町」と「栃木県茂木町」での採用を皮切りに、現在では34自治体で使用されているという、この新しい母子手帳。今までのものと、どの辺りが違うのだろう?
「今までの母子手帳は、自治体や医療関係者の視点で作られているものがほとんどでしたが、この『親子健康手帳』はインターネットやソーシャルメディア、個別インタビューなど、様々な方法で全国の生活者(お父さん、お母さん)から徹底的な情報収集を行いました。今の時代に求められる機能を明らかにし、制作した母子手帳です」(同社・担当者)

「今の時代に求められる機能」とは、何ぞや? 『親子健康手帳』では、従来の母子手帳と比べて強化されている点がいくつかあるのだが、中でも最も要望の多かった要素は「健康カルテ」機能。要するに、成長や健康を自由に記録できる要素である。
そのリクエストに応えて新たに追加されたのは、投薬内容やアレルギーの管理のために自由に使っていいページ。例えば、任意接種の予防接種の情報を追記したり、毎年インフルエンザの予防接種を受けても欄が足りなくならないよう、記録できるスペースを拡大してみせた。

他にも、新しい機能は満載。例えば、情報が氾濫する今だからこそ、全てのお母さんが知っておくべき情報を読んでもらいやすいよう表現した「必見必読」という機能である。
この母子手帳を手に取ると、第一印象として受け取るのは“読みやすさ”だろう。そして、これには理由がある。例えば、項目ごとにキーワードを設定していたり、敢えて簡単な文章で説明をしていたり……。また所々にイラストも使われており、お母さんに読んでもらえるような工夫がされているのだ。

そして、これも心強い。育児の喜びを増やし不安を減らす、その名も「癒し励まし」機能。
一つ例を挙げるとしたら、お父さんやお医者さん、助産師、お友達からのメッセージを残せる「寄せ書きページ」が面白い。これを産後に読み返せば、辛い時の励みになること確実!
また、“初めての胎動”、“初めてのハイハイ”、“初めての言葉”など、お子さんの様々な“初めて”を記録として残せる「記念日レコード」ページも、お母さんにはグッと来るに違いない。
その上、各ページの左下には育児を頑張るお母さんへ向けた「育児の名言」が記されている(例:「子を思う親の心は日の光」有島武郎)。落ち込んだ時やちょっと疲れた時、この格言たちを是非とも励みにしていただきたいのだ。

そして、この要素が最も“時代の流れ”を象徴しているか? お母さんだけでなく、お父さんも育児に参加できる、その名も「男女共育」機能。
どういう内容かと言うと、お母さんへのアドバイスと共に「パパになる準備」や「乳児期のパパ力」と題された“お父さんへのアドバイス”も掲載されているのだ。お父さんも育児に積極的に参加できるよう、時代の要請によって追加された機能である。

……と、かなり斬新な作りになっているこの母子手帳には、すでに様々な反響が寄せられている。
「実際に使っているお母さんからは、『読みやすくなった』、『記入しやすい』、『飽きずに楽しみながら読める』などの感想を頂いております」(担当者)
また、現時点で使用している34の自治体以外の市区町村からも「これから使用を検討したい」といった問合せが多数届いているとのこと。

そして、来るべき2012年。実は、母子手帳の記念パターンが10年ぶりに変わるらしい。そのタイミングに合わせ、『親子健康手帳』も何かしらのリニューアルは考えているのか?
「現在お使いいただいている34自治体からは、使い勝手に関するモニター結果をフィードバックして頂くことになっています。それらの声と、この度決定した厚生労働省奨励様式の改正内容を反映し、2012年4月から使用する版の改良を行う予定です」(担当者)

“イクメン”といった言葉が一人歩きしている、この昨今。……と、てっきり私は思っていた。しかし、そんなことはない。あらゆる場所で、確実に時代は変わってきている。
その一つである、この『親子健康手帳』は、通常の母子手帳よりもすごく身近な印象があります。
(寺西ジャジューカ)