バレンシアでの第1レグを1-1で折り返た後のシャルケホームでの第2レグ。フンテラールがケガのシャルケは、FWの一角にガヴラノヴィッチを入れた布陣で臨む。

試合は序盤こそシャルケが鋭い出足でバレンシアを押しこむが、ペースが落ち着くとパスワークに勝るバレンシアがボールを支配し、シャルケがカウンターを狙うという展開になる。

しかしシャルケの守備組織はどうにも怪しく、内田はおそらく監督の指示で中に絞るポジショニングだったのだろうが、相手がサイドに進出してきた時の対応が整理されてない様子で、内田がサイドに流れてカバーに行った後に、ヘヴェデスがシフトするのかマティプがカバーに入るのかがはっきりしておらず、17分の失点もまさにカバーへと一応入ったマティプが緩慢なプレイであっさりマークを外された事で起こってしまった。

さらにヘヴェデスとメッツェルダーのCBもバレンシアのスピードに負けっぱなしで、簡単に振り切られては決定機を作られ、相手のシュートミスが無ければ前半のうちに試合が決まってしまってもおかしくないぐらいのザルっぷりで、攻撃でも先制点を入れたバレンシアに引かれると全くの手詰まりで良いところがない。

ところが、40分にガヴラノヴィッチが受けたファールからファルファンがFKを直接決めた事でシャルケは息を吹き返し、後半7分にはクルーゲのクロスのこぼれ球を拾ったファルファンがシュート、それをGKが弾いたところをガヴラノヴィッチがポストに当てながらも押しこんでシャルケがワンチャンスをものにする。

これで攻めざるを得なくなったバレンシアがシャルケの緩い守備を突いてチャンスを量産するが、58分のアドゥリスのシュートを至近距離から防いだのを始めとする、ノイアーのいつもの孤軍奮闘で防ぎ切り、最後はファルファンがカウンターから落ち着いたループを決めてシャルケがベスト8へと駒を進めた。

大切に内田を育ててくれているマガトに対しては、今まで基本的に擁護する立場を取り続けていた私だが、バレンシアの強力なサイドに対して、攻撃はともかく守備ではあまり役に立たないファルファンと、お笑いマティプで内田の右サイドを構成させたのはいかにも無策というしか無く、勝ったはいいが守備組織の引き出しの無さをマガトは完全に露呈してしまったと言える。

マガトは昨日の練習でチームに顔を出さなかったらしいが、次の負け方いかんによっては更迭論が浮上してくる可能性は十分高いのではないかと思う。


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