日本 - 韓国戦 プレーヤー別採点 (アジアカップ・準決勝)
スタメン
GK 川島永嗣 7.0
→ ロングボールの処理でDFラインとの連携がうまくいかずに苦しんだが、3本のPKストップでヒーローとなった。2007年のACLのセパハン戦、2010年のパラグアイ戦と、PK戦で活躍できずに「得意なイメージ」はなかったが、よくよく考えてみると、W杯前のイングランド戦のMFランパード、W杯本番のデンマーク戦のFWトマソンと、試合中のPKを2度もセーブしている。カタール戦のフリーキックからの失点は不本意だっただろうが、この失点をバネにしてくれれば問題ない。
DF 内田篤人 5.5
→ 前半は素晴らしい出来だったが、後半に入って失速。パスミスが続いて日本が劣勢となる要因を作ってしまった。周りの動きが少なくなって難しいパスが多くなってしまったことも関係しているが、パスのほとんどが相手に渡っていた。DF長友やDF岩政のところではボールは落ち着かないので、DF内田のところが起点にならないと日本は厳しくなるので、決勝戦には期待したい。また、今回、対面したのがDFイ・ヨンピョで「スピード勝負」では負けなかったはずなので、余裕のある時はもっと縦に勝負しても良かったかもしれない。
DF 岩政大樹 5.5
→ アジアカップで初スタメンを飾ったが、ロングボールに苦しんだ。FWチ・ドンウォンが運動量豊富に動いており、体の使い方も上手だったので、DF岩政といえども簡単に勝てなかった。この試合のレフェリーの基準が「腕を使ったらファール」というおかしな基準だったことも不運で、延長戦の途中から登場した196cmのFWキム・シンウクの規格外の高さにも苦しんだ。が、DF岩政だったからこそ、これだけの被害で済んだともいえる。連携ミスもあったが難しいシチュエーションの中で良くやったともいえる。
DF 今野泰幸 5.5
→ アンラッキーな形でPKを取られてしまった。正当なチャージだと思うが、ちょっと強く当たりすぎたかもしれない。競っていたのはMFパク・チソンだったので、そこまでのチャージは必要なかったかもしれない。このシーン以外にも、ロングボール主体の韓国の攻めに苦労したが、最終ラインがこの4人の場合、空中戦に強いのがDF岩政だけなので仕方がないとはいえ、ハイボールでピンチを作られ過ぎた。また、攻撃では、前半はうまくボールをつないで貢献していたが、次第につなげなくなっていった。彼だけの問題ではないが・・・。
DF 長友佑都 7.0
→ タフな試合になればなるほど力を発揮するタイプで、延長戦になっても「スタミナ」と「スピード」が落ちないのは脅威である。前半にはDFチャ・ドゥリの裏を突く突破で見事なアシストを見せて、延長戦の最後はコーナー付近でMF本田圭との連携で時間を使って時計を進めさせた。驚きは左足のクロスの精度の向上であり、FC東京時代と比べると明らかに精度が上がっている。コンディションも試合を重ねるごとに上がってきており、周りとの連携も良かった。PKは力み過ぎたか。
MF 遠藤保仁 5.0
→ 代わりがいなので頑張ってもらわないと困る選手であるが、この日は体が重そうで、プレーに冴えもなかった。後半は足が止まってしまって、ボールを落ち着けることも出来なくなった。韓国に攻め込まれるようになったとき、MF遠藤を代えてF細貝かMF本田拓を投入することも考えられたが、結局、最後までプレー。監督からの信頼の高さを感じさせられたが、「軽い守備」や「中途半端なクリア」が目立つのが気になるところ。ラスト1試合なので、何とかコンディションを上げてほしい。また、コーナーキックで軌道の低いボールが多く、ほとんど、ニアサイドでクリアされてしまっているので、チャンスにつながっていないのも気になるところである。
MF 長谷部誠 5.5
→ MFパク・チソンの近くでプレーすることが多かったが、MFパク・チソンの攻撃は食い止めてほとんどチャンスを作らせなかった。一方、攻撃では、これまでの試合ほど目立ったプレーはなく、つなぎ役に徹していたが、くさびのパスやサイドに展開するパスの精度はやや低かった。延長戦になってからも声をあげてチームを引っ張っていたが、延長戦の後半12分に足を攣って交代し、ベンチに下がった。
MF 岡崎慎司 6.5
→ 120分間、運動量が落ちずに何度もチャンスに絡んだ。前半17分の左サイドのDF長友のクロスをヘディングで合わせたシーンは、惜しくもGKにはじかれてポスト直撃となってしまったが、可能性を感じさせるプレーだった。ゴールこそなかったが、日本の攻撃陣の中でもっともチャンスシーンに絡んでおり、相変わらず、好調は維持している。毎試合、高パフォーマンスを見せているのは驚きであり、計算できる選手である。
MF 本田圭佑 7.0
→ やや窮屈そうにプレーしていたカタール戦から一転して、この日はハイパフォーマンスを披露。「抜群のキープ力」と「強さ」でチャンスを演出した。1点目のFW前田のゴールにつながったスルーパスはパーフェクトで、他にもいいパスを供給した。気になるのは、なかなか流れの中で左足のシュートまで持ち込めないことであり、得意のミドルシュートを放つシーンはほとんどない。決勝戦のために温存しているのであればいいが・・・。あと、試合中のPKは素直にMF遠藤に任せないと・・・。
MF 香川真司 5.5
→ 韓国側の警戒心は強く、かわされることを恐れて激しいチャージには来なかったので、バイタルエリアでボールを持つシーンは多かった。前半はいいタイミングでボールを受けて展開しており、これまで目立った中盤で不用意にボールを失うこともほとんどなかった。ただ、アタッキングエリアでの思い切りを欠いてしまった印象で、後半は疲れもあったのか、徐々に試合から消えていった。後半42分にMF細貝との交代したが、妥当な判断だったといえる。
FW 前田遼一 7.0
→ カタール戦は低調だったが、この試合はレフェリーが律儀にファールを取ってくれたこともあって、前線で十分な起点となった。韓国人のセンターバックとはJリーグでも対戦することは多いので、慣れていたのかもしれない。自分の間合いでボールをキープし、次の攻撃につなげることが出来た。同点ゴールのシーンは自分でスペースを作ってラストパスを合わせるという得意のパターンのゴールで、サウジアラビア戦の1点目のゴールと同じくセンスを感じさせるゴールだった。セットプレー時の守備でも貢献した。
途中出場
MF 細貝萌 6.5
→ 後半42分にMF香川に代わって出場すると、MF本田圭のPKの場面で逆転のゴールをマークし、ヒーローになりかけた。MF本田圭のキックが甘くて、MF細貝が飛び込んできていなかったら、韓国のGKははじいたボールを処理できていたので、見事としか言いようのないプレーだった。また、守備でも疲れ果てた中盤に元気を与えて、中盤の守備を引き締めた。ザッケローニ監督の考え次第であるが、もう少し早いタイミングでMF細貝を投入しても良かったように思う。
DF 伊野波雅彦 5.0
→ 延長戦の前半の終了間際にFW前田に代わって投入されたが、役割が不明確で、効果的な交代とはならなかった。DF伊野波の責任ではないが、FW前田を外したことで、攻撃に参加できるのがMF本田圭とMF岡崎だけになって、カウンターの脅威が減ったこともマイナスだった。FW前田を外すとき、FW李を入れるという選択肢もあったと思うが、結果的には、DF伊野波を入れたことで守備で精いっぱいになってしまった。また、前半からFW前田が相手のセットプレーのとき、空中戦で高い確率で勝っていたので、これがなくなったのも痛かった。
MF 本田拓也 4.5
→ 延長戦の後半12分に足を攣ってプレー続行が難しくなったMF長谷部に代わって投入されたが、試合に入りきれなかった。最初のプレーは中盤でクリアボールを拾ったが、ダイレクトで前方にパスを出したがカットされてしまい、2回目のプレーはDFイ・ヨンピョを倒して相手にセットプレーを与えて、これが終了間際の同点弾につながった。キープすればいい時間帯に投入されたが、状況が整理されていなかった印象で、短い時間ではあったがブレーキになってしまった。
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DF 内田篤人 5.5
→ 前半は素晴らしい出来だったが、後半に入って失速。パスミスが続いて日本が劣勢となる要因を作ってしまった。周りの動きが少なくなって難しいパスが多くなってしまったことも関係しているが、パスのほとんどが相手に渡っていた。DF長友やDF岩政のところではボールは落ち着かないので、DF内田のところが起点にならないと日本は厳しくなるので、決勝戦には期待したい。また、今回、対面したのがDFイ・ヨンピョで「スピード勝負」では負けなかったはずなので、余裕のある時はもっと縦に勝負しても良かったかもしれない。
DF 岩政大樹 5.5
→ アジアカップで初スタメンを飾ったが、ロングボールに苦しんだ。FWチ・ドンウォンが運動量豊富に動いており、体の使い方も上手だったので、DF岩政といえども簡単に勝てなかった。この試合のレフェリーの基準が「腕を使ったらファール」というおかしな基準だったことも不運で、延長戦の途中から登場した196cmのFWキム・シンウクの規格外の高さにも苦しんだ。が、DF岩政だったからこそ、これだけの被害で済んだともいえる。連携ミスもあったが難しいシチュエーションの中で良くやったともいえる。
DF 今野泰幸 5.5
→ アンラッキーな形でPKを取られてしまった。正当なチャージだと思うが、ちょっと強く当たりすぎたかもしれない。競っていたのはMFパク・チソンだったので、そこまでのチャージは必要なかったかもしれない。このシーン以外にも、ロングボール主体の韓国の攻めに苦労したが、最終ラインがこの4人の場合、空中戦に強いのがDF岩政だけなので仕方がないとはいえ、ハイボールでピンチを作られ過ぎた。また、攻撃では、前半はうまくボールをつないで貢献していたが、次第につなげなくなっていった。彼だけの問題ではないが・・・。
DF 長友佑都 7.0
→ タフな試合になればなるほど力を発揮するタイプで、延長戦になっても「スタミナ」と「スピード」が落ちないのは脅威である。前半にはDFチャ・ドゥリの裏を突く突破で見事なアシストを見せて、延長戦の最後はコーナー付近でMF本田圭との連携で時間を使って時計を進めさせた。驚きは左足のクロスの精度の向上であり、FC東京時代と比べると明らかに精度が上がっている。コンディションも試合を重ねるごとに上がってきており、周りとの連携も良かった。PKは力み過ぎたか。
MF 遠藤保仁 5.0
→ 代わりがいなので頑張ってもらわないと困る選手であるが、この日は体が重そうで、プレーに冴えもなかった。後半は足が止まってしまって、ボールを落ち着けることも出来なくなった。韓国に攻め込まれるようになったとき、MF遠藤を代えてF細貝かMF本田拓を投入することも考えられたが、結局、最後までプレー。監督からの信頼の高さを感じさせられたが、「軽い守備」や「中途半端なクリア」が目立つのが気になるところ。ラスト1試合なので、何とかコンディションを上げてほしい。また、コーナーキックで軌道の低いボールが多く、ほとんど、ニアサイドでクリアされてしまっているので、チャンスにつながっていないのも気になるところである。
MF 長谷部誠 5.5
→ MFパク・チソンの近くでプレーすることが多かったが、MFパク・チソンの攻撃は食い止めてほとんどチャンスを作らせなかった。一方、攻撃では、これまでの試合ほど目立ったプレーはなく、つなぎ役に徹していたが、くさびのパスやサイドに展開するパスの精度はやや低かった。延長戦になってからも声をあげてチームを引っ張っていたが、延長戦の後半12分に足を攣って交代し、ベンチに下がった。
MF 岡崎慎司 6.5
→ 120分間、運動量が落ちずに何度もチャンスに絡んだ。前半17分の左サイドのDF長友のクロスをヘディングで合わせたシーンは、惜しくもGKにはじかれてポスト直撃となってしまったが、可能性を感じさせるプレーだった。ゴールこそなかったが、日本の攻撃陣の中でもっともチャンスシーンに絡んでおり、相変わらず、好調は維持している。毎試合、高パフォーマンスを見せているのは驚きであり、計算できる選手である。
MF 本田圭佑 7.0
→ やや窮屈そうにプレーしていたカタール戦から一転して、この日はハイパフォーマンスを披露。「抜群のキープ力」と「強さ」でチャンスを演出した。1点目のFW前田のゴールにつながったスルーパスはパーフェクトで、他にもいいパスを供給した。気になるのは、なかなか流れの中で左足のシュートまで持ち込めないことであり、得意のミドルシュートを放つシーンはほとんどない。決勝戦のために温存しているのであればいいが・・・。あと、試合中のPKは素直にMF遠藤に任せないと・・・。
MF 香川真司 5.5
→ 韓国側の警戒心は強く、かわされることを恐れて激しいチャージには来なかったので、バイタルエリアでボールを持つシーンは多かった。前半はいいタイミングでボールを受けて展開しており、これまで目立った中盤で不用意にボールを失うこともほとんどなかった。ただ、アタッキングエリアでの思い切りを欠いてしまった印象で、後半は疲れもあったのか、徐々に試合から消えていった。後半42分にMF細貝との交代したが、妥当な判断だったといえる。
FW 前田遼一 7.0
→ カタール戦は低調だったが、この試合はレフェリーが律儀にファールを取ってくれたこともあって、前線で十分な起点となった。韓国人のセンターバックとはJリーグでも対戦することは多いので、慣れていたのかもしれない。自分の間合いでボールをキープし、次の攻撃につなげることが出来た。同点ゴールのシーンは自分でスペースを作ってラストパスを合わせるという得意のパターンのゴールで、サウジアラビア戦の1点目のゴールと同じくセンスを感じさせるゴールだった。セットプレー時の守備でも貢献した。
途中出場
MF 細貝萌 6.5
→ 後半42分にMF香川に代わって出場すると、MF本田圭のPKの場面で逆転のゴールをマークし、ヒーローになりかけた。MF本田圭のキックが甘くて、MF細貝が飛び込んできていなかったら、韓国のGKははじいたボールを処理できていたので、見事としか言いようのないプレーだった。また、守備でも疲れ果てた中盤に元気を与えて、中盤の守備を引き締めた。ザッケローニ監督の考え次第であるが、もう少し早いタイミングでMF細貝を投入しても良かったように思う。
DF 伊野波雅彦 5.0
→ 延長戦の前半の終了間際にFW前田に代わって投入されたが、役割が不明確で、効果的な交代とはならなかった。DF伊野波の責任ではないが、FW前田を外したことで、攻撃に参加できるのがMF本田圭とMF岡崎だけになって、カウンターの脅威が減ったこともマイナスだった。FW前田を外すとき、FW李を入れるという選択肢もあったと思うが、結果的には、DF伊野波を入れたことで守備で精いっぱいになってしまった。また、前半からFW前田が相手のセットプレーのとき、空中戦で高い確率で勝っていたので、これがなくなったのも痛かった。
MF 本田拓也 4.5
→ 延長戦の後半12分に足を攣ってプレー続行が難しくなったMF長谷部に代わって投入されたが、試合に入りきれなかった。最初のプレーは中盤でクリアボールを拾ったが、ダイレクトで前方にパスを出したがカットされてしまい、2回目のプレーはDFイ・ヨンピョを倒して相手にセットプレーを与えて、これが終了間際の同点弾につながった。キープすればいい時間帯に投入されたが、状況が整理されていなかった印象で、短い時間ではあったがブレーキになってしまった。
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