1987年に115人の死者を出した大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫元北朝鮮工作員が20日未明、羽田着のチャーター機で初来日した。

 金元工作員は、20日午後3時45分から、長野県軽井沢町の鳩山由紀夫前首相の別荘で拉致被害者の田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さんと田口の兄で拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さんらと面会した。

 韓国のメディアは、日本政府が用意した小型ジェット機に乗って入国し、金持ちの別荘地として有名な長野県軽井沢の鳩山由紀夫前首相の別荘に滞在していると報じている。

 日本では多くのメディアが移動の様子をヘリで追跡するなど、金元工作員に対する高い関心が寄せられており、日本のテレビ局が放送した映像では、金元工作員が乗った車を中心に約10台の車両が連なり、警護車も並走していた。これらを日本のメディアの取材車約20台とヘリ7台が追走していた。まるで「国賓待遇」であると伝えている。  また金元工作員が、鳩山前首相の別荘が面会場所に選ばれた理由にも注目が集まっている。金元工作員は北朝鮮で、日本人拉致被害者の田口八重子さん(北朝鮮名:李恩恵)に、日本に関する教育を受けた。また、去年3月、釜山で飯塚耕一郎さんに面会した際、金元工作員は母親の田口さんから料理を学んだと語った。その後、飯塚さんに手紙を送り、「お母さんの教えてくれた料理はしゃぶしゃぶ、春巻き、コロッケだった」ことを明かし、「その料理を飯塚さんに作りたい」と願っていたという。中井拉致担当相は、この金元工作員の念願を実現するため、調理設備のある鳩山前首相の別荘を提供したと韓国のメディアは伝えている。

 21日には、金元工作員は拉致被害者の横田めぐみさんの両親と面会する。「パフォーマンス」ではないかとの声も各方面から上がっているが、日本政府や日本人拉致被害者の家族は、これを糸口に拉致問題の解決に進展があることを期待している。(編集担当:李信恵・山口幸治)



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