――alutoも自主企画イベントをやられていますが、何かコンセプトはあるんですか?

藤田:「泣き笑え、泣き唄え」というちょっと長い名前のイベントなんですけど。人生、生きててそんなに楽しいこととか幸せなことばかりでもないし、辛いこととか悲しいことの方がちょっと多いのかな?って思ってたんですよね。だから「泣いてもいいから唄っていようよ、泣いてもいいから笑っていようよ」という想いが伝わればいいなと思って始めたイベントで。「泣いてもいいから唄っていようよ」というのが僕らの担当で、「泣いてもいいから笑っていようよ」という担当にお笑い芸人さんをMCに立てて、毎回ネタも披露してもらってという様な形で。

野村:すごいね!芸人さん呼んでやってたの?

藤田:ちょっと不定期になっちゃったから、なかなかやれてないんだけど。昔はいつも毎月1回必ずやってて。

佐藤:今度、是非。

野村:是非、喜んで。

佐藤:ゲストのミュージシャンにライブをやってもらって、その間にお笑いの人達が出てきてネタやってもらって。alutoのライブやって、最後にセッションしてとか。

藤田:音楽のイベントって、もちろん音楽を届けるというのが根底にあるから、音楽だけっていうのもいいんですけど。そこに何かちょっと違うエッセンスも入れてみたいな、って思い出したのがきっかけですね。

――例えば、二千花の作品にヴァイオリンの音が欲しいとか、今後そういうセッションは?

野村:何度かね、この間もちょっとレコーディングしてて。ギリギリで「ヴァイオリンを入れたい」となって連絡しようと思ったんですけど。もう当日のレコーディングスタジオでしたから、絶対に無理だなと思ったんですけど。是非、お願いします。

佐藤:ねぇ一緒に、面白いですよね。私は弦を重ねるのとかすごく好きで、alutoだと自分一人でやらなきゃいけないので、重ねたりしてるんですけど。曲によっては人を呼んで、カルテットでやったりする時、自分でその楽譜を書くのがすごく楽しくて。

藤田二千花とalutoで全然曲作りの仕方も違うし、面白いイベントも何度もご一緒させてもらって、何かいい形でお互いの音楽を一緒に出来たら。僕も二千花のライブは毎回観てるし、すごく勉強になる所もたくさんあって。今度ヴァイオリンを入れさせてもらったり、もっと深い所で何か一緒に楽曲作りとかも出来たら面白いかなとか、今思ったんですけどね(笑)。

佐藤:そしたら一人のアレンジの所に、後ろに大吾君もいますんで。

野村:集中しますよ。

藤田:ただ、酒飲んでるかも知れないけど(笑)。

――一粋さんは、alutoに対して何か質問ありますか?

野村:歌のこととか聞いたら?リハーサルとかを見てる時に、一粋に無いもので大吾にあるものを感じていて。「一粋、絶対に見な」と言って、「あそこって、こうだよな」という話をいつもしてるの。せっかく話せる時だから、聞きたいこといっぱいあるんじゃないの?

宮本:大吾君は、声量が低音も中音域も高音も、1個ドシンとしたものがあって出してるなというのがすごくあって。それはトレーニングで、なんとかなるんですかね?

藤田:どうなんですかね(笑)。

宮本:私は、割と声が細いんですね。だからすごく。

藤田:太く出そうと意識する?

宮本:そう。でも、それってあんまり無理矢理「太く出そう!」みたいなことをすると、今度は力んじゃうじゃないですか。それは聴いてる人が聴きづらくなっちゃうので。大吾君みたいにフラっと歌ってるのに、すごく芯がどっしりあって、説得力がある声だから。元々、そういう声質だったのかな?とか。

藤田:声質とか根本的なものは変わってないと思うけど、どんどん変わってきた方だと思ってる。ずっと路上をやったのが大きかったかなと。多分、体には良くないんだろうけど、届かないから、がなったりもするし。毎週、毎回の路上ライブで喉を枯らしたし。そういうのもあって段々、声がデカくなった。「声がデカい」というのは、みんなからすごく言われるし。

野村:しゃべる声もすごく響くもんね、抜ける。

藤田:多分、路上ライブでマイクも使わずに、ギターも声も生音でずっとやったのが、俺の中では基礎になったのかも知れないなと思うし。でも、それによってすごくいいことも悪いこともあって。例えばレコーディングとかは、すごくシビアに色々分かる所があって。もうちょっと、がなるだけじゃ、デカいだけじゃ駄目だなって。逆に、抑えられるものも持ってないと駄目だなというのも、もちろん見えてくるし。路上というのは基礎の一つになってるかなと。