――恋愛に限らず、藤田さんの書かれた歌詞に対して佐藤さんが意見されることは?

佐藤:もう1回ツルッっと出来上がったものだったり、一部分だけだったりが出てきて、「こういう感じなんだ」って歌ってもらって。そこから「ここはどういう意味なの?」って聞いたり、「ここは女子だったら絶対イヤだ」とかがあった部分だけは言う感じですね。

藤田:でも、言いたいことは言ってもらった方がありがたいですし。今初めてのアルバムを作った作業でも、作品になってく段階で、お互いに最初は手探りだったものが段々ポイントをつかみ出してきて。例えば「A面のフレーズがこういう風にのるんだったら、こっちの方がいいんじゃないか?」って話すこともあるし。逆に、佐藤帆乃佳からレコーディングになって「この詞はノリが悪くない?」みたいな話になることも、今までは無かったけど最近になって出てくるし。それは喜ばしいことと言うか、お互いにいいものを作りたいという目標の元に出ることなので、すごくいい作業が出来てるなと思いますね。

――楽曲制作の方法については、二千花は野村さんが宅録である程度まで制作できる環境が整っていますが、alutoの場合は?

藤田:そういう機材は1個も無いですね、原始的な感じです。ギターかき鳴らしながら、使い古されたノートが1冊あって作るタイプなので。

佐藤:ノートといっても紙のノートで、ノートパソコンじゃないです。ノートの切れ端にコード譜が書いてあって、MDにマイクが付いてあるヤツを…しかも、それ私のなんですけど、借りパクのまま。それに歌って録ったヤツをノートの切れ端と一緒にもらって。そこから曲を聴いて、私がヴァイオリンを付けて。あとは二人で「ああでもない、こうでもない」って、やっていて。

野村:アレンジって、誰か他の人がいるの?

藤田:アレンジは、山口一久さんっていうサウンドプロデューサーの人が一緒に考えてくれて。打ち込みだったり、大まかな流れは入れてきてくれて。それを事務所のスタジオで聴いて、「こんな感じでやりたい」「このリズム試してみたい」とか話す感じかな。

野村:でも、俺も最初はテープレコーダーで歌った鼻歌だけか、ピアノか何かだから、同じかも。

藤田:いや、違いそうな気が。クオリティが高そう(笑)。

野村:いや、そこがあって。その後アレンジする時に、その山口さんと同じ感じになる。まぁ全部一人役だけどね、一人でやってると寂しいんだよねぇー。何もしなくていいから、誰かが見ててくれたら、作業が3倍ぐらいになる気がする。例えば、たまに誰かがガチャってドアを開けたり。

藤田:俺と一緒に住む?(笑)。

野村:絶対嫌だ!(笑)。でも、本当に後ろで事務の人が物書きしてるとか、音楽と関係無くていいの。誰かが見てるだけで。

佐藤:それ、猫とかじゃ駄目?

野村:駄目ですね(笑)。

藤田:俺は全く逆。誰かがいると、もう絶対に書けない。

野村:あ、メロディ書く時はね、俺もそう。恥ずかしいってことでしょ?でも、アレンジとかの作業中だと、とにかく集中力が切れるから、どんどん逸れていくんだよね。

佐藤:アレンジだと、もう終わりが無いもんね。積み重ねていけたら、いけるだけいけちゃうし。

野村:「参考資料にYouTubeでも見てみよっかな」なんて見ると、気付いたら2時間後にしょこたん見てたとか、「あぁー!」ってなるんだよね。そういうの、ならない?

藤田:パソコン無いからさ(笑)。そう思うと、買わない方がいいかもしれない。俺は絶対に深夜の方が作業もはかどるし、情報が無いじゃん。昼間だったら、外に出ればお店がやってたり、何かしら音が入ってくるし、テレビつければ何かやってるし。でも、深夜は家を出ても何も店もやってないし、真っ暗だし、夜中の番組なんてたかが知れてるというか、そんなに情報量が無いから。

野村:それ、絶対にパソコン買わない方がいいよ。パソコン持つと24時間、情報関係無いからね。

藤田:そういうの、ちょっと怖かったりもする。何か調べ物する時にはいいなって思うんだよね、知りたいことがすぐ知れるから。