アヤックスのヘンク・テン・カテ監督のコーチ就任が濃厚となったチェルシー。シーズン途中にオランダの名門クラブから監督を引き抜くという力技に出たチェルシーのチーム改革プランが徐々に明らかになってきた。テン・カテの入閣でチーム内でのオランダ色を強める方針のチェルシーは、1月の移籍マーケットでアヤックスのFWクラース・ヤン・フンテラールを獲得する方針。そして最終目的として、来シーズンから現在バルセロナで指揮を執るフランク・ライカールトを監督に迎えるべく、水面下で動いているという。

 今夏にはマンチェスター・ユナイテッドも獲得に動いたフンテラール。しかし、出場機会が確約されているアヤックスでもう1年プレーすることを選んだ24歳は、プレミア王者のオファーを蹴っていた。それでも、テン・カテの退団が濃厚となったことで、状況は一変。1月の移籍マーケット解禁を待ってのチェルシー移籍が最有力とされている。さらに、テン・カテのオランダ・コネクションで補強を進める予定のチェルシーは、FWアンドリー・シェフチェンコを筆頭とする余剰戦力の整理も粛々と進めるつもりのようだ。

 そして、一番の目玉であるライカールト招聘は、今シーズン終了後が濃厚。オランダ国内では、「ライカールトのバルセロナ指揮は今シーズン限り」が公然の秘密とされており、2005-06シーズンまでバルサでタッグを組んでいたテン・カテとともに、チェルシーを指揮する可能性が高くなったと、オランダ各紙は伝えている。

 ライカールトの招聘でブラジル代表MFロナウジーニョの獲得まで視野に入れているといわれるチェルシー。オーナーのロマン・アブラモビッチは、ライカールトとテン・カテが率いたバルセロナの攻撃サッカーに感銘を受けており、すでに2人と会談の場を設けたとの情報も伝えられている。テン・カテ招聘に始まる、チェルシーの壮大な強化プラン。まずは、1月の移籍マーケットにおける動きに注目が集まる。