プレミアリーグのウェストハムは、アーセナルからMFフレドリク・リュングベリを獲得したと発表。移籍金は300万ポンド(約4億5000万円)に上ると伝えられている。アーセン・ベンゲル監督の慰留を受けながら、新天地にウェストハムを選んだリュングベリは、盟友ティエリ・アンリのバルサ移籍が決断を後押ししたと語っている。

「難しい決断だったけど、ティエリ・アンリが移籍したことで、僕の中で何かが終わったんだ。2年前にアーセナルと契約延長で合意したとき、クラブの将来について長時間話し合った。実績のある選手を獲得すべきだとも言ったんだ。確かに、新スタジアムを建設中で、クラブとしては難しい時期だったのかもしれない。でも、僕ら選手は、イングランドのトップクラブとしての誇りを忘れたことはなかったし、ヨーロッパでもいい結果を残そうと全力で戦っていた。でも、結局僕の思いは伝わらなかった」

 アーセナルへの不信感を吐露したリュングベリ。しかし、ウェストハム移籍の決め手となったのは、アイスランド人の会長エガート・マグヌソン氏の存在だという。

「今回の移籍は、アーセナルを離れたかったからではなく、ウェストハムでプレーしたいと思ったから決断したんだ。僕がウェストハムを選んだのは、マグヌソン会長の存在があったから。彼はウェストハムをトップクラブへと成長させたいと本気で望んでいるんだ。移籍マーケットで選手を獲得して、アカデミー出身の若手と融合させることで、チームを強化させようとしている。その強化の一端を担えて、僕はとても嬉しいんだ。僕にとっても、大きな挑戦になるけど、今からとても楽しみだよ」

 1998年にアーセナルへ加入したリュングベリは、325試合出場で72ゴールを記録。すでに最古参の選手となっていた30歳は、ケガの影響で昨シーズンの出場が26試合に留まっていた。クラブの将来を第一に考え、補強策に苦言を呈し続けたリュングベリだが、結局その想いが形になることはなかった。アーセナルは、また一人、貴重なチームリーダーを失うことになってしまった。