「エトー、パト、ドログバ、ロナウジーニョ、もしくはシェフチェンコ。このうちの一人を獲る」

 活発化する一方の夏の移籍市場前線だが、欧州覇者ミランだけはひとり沈黙を守っている。だが、移籍戦略の最高現場責任者ガッリアーニ副会長がバカンス先のマイアミでついに口を開いた。

「年間予約シートの順調な売上はサポーターたちの絶大な支持の現れだよ。われわれの目標は来年の春に最終的に勝つことであって、この夏に勝つことではない。

 ミランはどのポジションも完成されているが、超大物FW獲得を模索しているのは事実。所属先クラブに迷惑があってはいかんから、名前はあげんがね」

 しかし伊紙記者が前述の候補5人の名前を挙げると同氏はあっさりそれを認めた。王者の余裕か、ガッリアーニ副会長はマーケットに嵐を呼ぶキーマンの一人として不敵につづけた。
「現状維持はしない。(誰を獲得するか)選択の問題にすぎん」

不気味に停滞をつづけるミラン前線が猛威を奮うのはいつだろうか。