「週末は山や温泉を楽しみたい」と、東京の会社を辞めずに「長野県」への移住を希望する夫。週2回の新幹線通勤で年間いくらかかる? 別荘を買って「季節移住」したほうが家計はラクでしょうか?

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東京で働きながら、自然豊かな長野県で暮らしたいと考える人もいるでしょう。テレワークを活用して出社が週2回程度なら、新幹線通勤も選択肢になります。   ただし、気になるのが交通費です。長野県から東京まで週2回通うと、年間100万円を超えるケースがあります。一方、東京にも生活拠点を残し、長野県に別荘を持つ「二地域居住」では、税金や維持費がかかります。   そこで本記事では、週2回の新幹線通勤にかかる費用を試算し、完全移住と別荘を使った季節移住のどちらが家計に向いているのかを考えます。

週2回の新幹線通勤なら年間約108万~152万円かかる可能性

大人1人、通常期における普通車自由席の運賃は、軽井沢駅から東京駅まで片道5600円、長野駅から東京駅まで片道7920円です。
週2回、月8往復すると、軽井沢~東京は月8万9600円、年間107万5200円です。長野~東京は月12万6720円、年間152万640円になります。利用する列車や座席などで金額は変わりますが、週2回でも年間100万円を超える計算です。
ただし、勤務先から通勤手当が出る場合は本人の負担を抑えられます。国税庁によると、「最も経済的かつ合理的な経路および方法」であれば、新幹線や特急列車の料金も非課税の通勤手当に含まれます。非課税限度額は月15万円です。ただし、グリーン料金は対象になりません。
今回の試算では軽井沢と長野のどちらも交通費が月15万円以内です。勤務先が実費を支給する場合、非課税枠の範囲に収まります。ただし、会社に交通費を全額支給する義務があるわけではありません。移住前に、新幹線通勤の可否や支給上限を確認しましょう。

月8往復なら定期券より都度購入のほうが安い?

新幹線通勤なら定期券がお得」と考えるかもしれません。しかし、週2回程度なら都度購入のほうが安くなる場合があります。
軽井沢~東京の新幹線通勤定期券が1ヶ月13万1430円の場合、年間では157万7160円です。月8往復を都度購入する年間107万5200円と比べると、約50万2000円高くなります。
長野~東京では、1ヶ月の定期券が18万5570円なら年間222万6840円です。都度購入の年間152万640円との差は約70万6000円です。出社が週2回程度なら、定期券を買うより必要な日に切符を購入したほうが家計を抑えやすいでしょう。
なお、移住者の新幹線通勤を支援する自治体もあります。例えば佐久市には、新幹線通勤などを対象とした移住支援制度があります。制度は変更される場合があるため、移住先を決める際には、自治体の最新情報を確認することも大切です。

別荘で「季節移住」すると固定資産税などの負担が増える

東京を完全に離れるのが不安なら、長野県に別荘を持つ二地域居住も考えられます。国も二地域居住を推進しており、2024年11月1日には、住まいや仕事の環境整備などを後押しする改正法が施行されました。ただし、家を2つ持てば住居費も増えます。
例えば軽井沢町では、1月1日時点で町内に家屋敷があり、町内に住所がない人には「家屋敷課税」が求められます。2024年度以降の町県民税の均等割は年4500円で、固定資産税とは別に負担します。
固定資産税にも注意が必要です。一般的な住宅では、200平方メートル以下の小規模住宅用地について、固定資産税の課税標準額を価格の6分の1とする特例があります。
軽井沢町では、別荘を住宅として扱うには利用実態が重要です。「宿泊を伴う毎月1日以上の居住」がある場合、申告によって住宅として扱われる制度があり、電気使用量の資料なども求められます。
そのため、夏や冬だけ使う保養目的の別荘では、住宅と同じ税負担になるとは限りません。物件価格だけでなく、固定資産税、管理費、修繕費、光熱費などを含めて判断しましょう。

まとめ

今回の条件では、週2回の新幹線代は軽井沢~東京で年間約108万円、長野~東京で約152万円です。ただし、勤務先が交通費を負担するなら、本人の負担は大幅に減る可能性があります。
一方、別荘を購入すれば、物件購入費に加えて税金や維持費も発生します。そのため、「新幹線代が高いから別荘のほうがお得」と単純には判断できません。
まずは勤務先の通勤手当を確認したうえで、賃貸住宅などを利用して長野暮らしと新幹線通勤を試す方法もあります。実際の通勤負担や生活費、冬の暮らしを経験してから完全移住と二地域居住を比較すれば、自分たちの家計や生活に合った方法を選びやすくなるでしょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当
佐久市ホームページ
国土交通省 地方振興 活力と魅力のある地域づくり 二地域居住の推進
軽井沢町 町県民税(家屋敷課税)について
軽井沢町 別荘を所有されている方へ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー