トランプ政権の迷走ぶりについてはさておき、エヌビディア 、ブロードコム の四半期決算で出そろったハイテク各社の現状について述べてみたい。まずエヌビディアについては、市場予想を上回る好決算となったが、その後のマーケットの反応を見る限り、多くの人が期待しているほどには株価が上昇していない。続くブロードコムも大手IT3社向けの特注型AI(人工知能)半導体が好調だったが、エヌビディア同様に株価の動きに目立ったところはない。この両社の決算とマーケットの反応を見て思うのは、当面はAI半導体関連を買い増すべきではないのではないかということだ。

 ではどのような企業を投資対象にすべきなのか。まず挙げられるのは、NATO(北大西洋条約機構)との大型契約締結が報じられたパランティア・テクノロジーズ だ。アメリカがNATOへの関与を縮小したことによって、欧州では弱体化していた軍備再建のために各国が軍事費の支出を増やし、ドイツのラインメタル、イギリスのBAEシステムズといった軍需関連企業の株価が急上昇している。だが欧州各国は長年にわたって軍需産業の育成を怠ってきたため、欧州の軍需関連企業はこれまでほとんどAI投資をしてこなかったし、軍需関連のAI企業もほとんど育っていなかった。

 したがってこれから急速に軍事力を高めようと思えば、米国企業トップのパランティアのサービスを利用するのが最善策となる。同社は年初来、株価が90%近く上昇し、PER(株価収益率)も600倍台と割高感があるかもしれない。だが、AIを活用した軍事機関の意思決定支援システムで先行している同社の優位性はしばらく続くと思われる。

 次に挙げられるのは、エンターテインメントの分野でAIを活用しているスポティファイ・テクノロジー とネットフリックス だ。スポティファイは1年前の310ドル前後の水準から700ドル超の水準へと2倍化し、ネットフリックスも680ドル前後から1200ドル超へと、あと少しで2倍化する水準に株価が上昇している。

 スポティファイは音楽配信では世界でダントツの成長力を有している。競合にはアマゾン・ドット・コム の「アマゾンミュージック」やアップル の「アップルミュージック」などがあるが、足もとでアマゾンが音楽配信分野への投資を手控えるなど、広範な事業領域を持つ両社と専業のスポティファイを比較すると、力の入れ方に差がある。実際、ユーザーの視点で考えても、スポティファイのほうが良いサービスを展開しているという評価が定着している。