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ジョッキじゃなかったのか…。

小さめのガラスコップ、生ジョッキ、タンブラー、缶のまま、ビンのまま。ビールの飲み方は人それぞれ好みがあると思います。今回ブラジルの科学者が、超マジメに最もおいしく冷えたビールを飲むための究極のグラスの形状を、プレプリントサーバーのarXivで発表しましたよ。

究極のグラスとは

冷えたビールはおいしい。ということは、ビールを注いでから少しでも長い時間冷えたままの状態をキープするには、どんな大きさでどんな形のグラスがいいかという疑問に突き当たります。

そんな「究極のビールグラス問題」に、サン・ジョアン・デル・レイ連邦大学(UFSJ)の熱流体力学教授であるクラウディオ・ペレグリーニ氏が果敢に挑み、最適解を見つけたそうです。

まず、ビールが好きな人は、キンキンに冷えたビールと、透明なグラスを好むそうです。見た目も味も楽しむための、消費者にとっての最適解ですね。でも、これがなかなか難しいのだとか。

そこでペレグリーニ氏は、グラスを持つ手の温度など外的な要因をすべてないものとして、注がれたビールを少しでも長く冷えた状態でキープできるグラスの形状を熱伝導率から求めたといいます。この際、熱損失はグラスの上部と側部でのみ起こるように、底部は断熱されるものと仮定しました。

意外な答え

グラスの中のビールは、周囲の温度と平衡になるまでぬるくなっていきます。なので冷たい状態を保つには、時間が経つにつれて、空気に触れる表面積が小さくなる必要があります。

Image: Pellegrini 2024

その結果、底部の直径が小さく、上部に向かうにつれて広くなるピルスナータイプのグラスが最適であることを突き止めました

Image: Pellegrini 2024

上図を確認すると、底部の直径が4cmから5cm、上部の直径は約12cm、高さが15cmくらいのグラスに注いだビールが最も冷えた状態をキープできるようです。

高さに関係なく、底部と上部の直径は比例するため、底部の直径が小さいグラスは、上部の直径も小さくなります。直径が小さいグラスは、必然的に1杯あたりの量が少なくなります。

慣れ親しんだ居酒屋のコップやジョッキよりもオシャレでいい感じ。個人的には好きかも。

ペレグリーニ氏は、ビールを1口か2口で飲み干せるグラスがベストと認めつつも、「そんなみっともない飲み方をするようなら、ビールを飲む意味がない」と斬り捨てています。

ペレグリーニ氏がどんなグラスでビールを飲んでいるのか見たい。

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Source: Pellegrini 2024 / arXiv

Reference: Phys.Org