【マイルCS】ナミュール 連覇へ状態万全! ラスト1F12秒0に高野師「仕上がりは満足」
進化を続ける女王ナミュールが万全の態勢を整え、1年ぶりに淀に帰ってくる。最終追いは坂路単走の通常メニュー。体にみなぎるエネルギーを内にため込んだまま、4F56秒6〜1F12秒0でゆったりと駆け上がった。高野師は「夏負けの兆候を一切見せず、牧場(ノーザンファームしがらき)でも順調に乗り込んでベースをつくってもらっていた。むやみに速い時計は要らない。仕上がりには満足」と納得の表情。昨年も最終追いは坂路で4F58秒台。遅い全体時計こそが調整の順調ぶりを物語る。
昨秋に当レースで悲願のG1初制覇。その後、香港マイル(3着)→ドバイターフ(2着)と世界に打って出た。アウェー環境の厳しさを乗り越え、メンタルが強化。「人間と同様に、いろんな経験をすることで受け入れられる許容範囲が広がる。今は普段から堂々としていて、立ち居振る舞いが“女王様”。年を重ねて筋肉量も増えている」。心身ともに充実する厩舎の看板娘に師も誇らしげだ。
帰国初戦のヴィクトリアM(8着)は崩れたが、2戦目の安田記念で2着とV字回復。香港のロマンチックウォリアーに半馬身遅れはしたものの、日本馬最先着で威厳は示した。「ディフェンディングチャンピオンとして負けられない思い。(昨年騎乗した藤岡)康太君も応援してくれると思うし、“勝ちましょう”と厩舎一丸となっている」と力強く結んだ。
先週のエリザベス女王杯をスタニングローズで制し、厩舎の意気は盛ん。鞍上も同じC・デムーロとなれば、G1連勝が現実味を帯びてくる。指揮官から好況を伝え聞いた鞍上は「ア・ロット・オブ・コンフィデンス(凄く自信がある)」と不敵に笑い、「2週連続、同じ厩舎でチャンスある馬に乗せてもらえる。メンバーは強いけど、今週も勝てるように頑張りたい」。日本にマイル王のタイトルを取り戻す重要な戦いへ、準備は整った。