夫婦2人暮らし、毎月の食費が8万円以上です。うちは食費を使い過ぎでしょうか? 赤字家計ではありませんが、財形貯蓄以外できていないので家計を見直したいです

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30代で共働きのAさん夫婦は、おいしいものを食べることが趣味で、毎月の食費は8万円以上だそう。お互い財形貯蓄はしていますが、それ以外の貯金はできていないそうです。家計は赤字ではありませんが、将来を見据えて家計の見直しをしたいと考えています。 そこで本記事では、30代夫婦の平均的な食費や貯蓄額はどれくらいか、これからどのように貯蓄をしていけばいいかをお伝えします。

夫婦2人の平均的な食費は?

総務省統計局の「家計調査 家計収支編(2023年)」によると、世帯主が60歳未満の勤労者である2人世帯の1ヶ月の平均的な食費は7万343円です。Aさん夫婦の食費は毎月8万円以上ということなので、平均より少し多めです。
金額はもちろん重要なのですが、ここで気にかけておきたいのが、手取り収入に占める割合です。共働きなどで世帯収入が多い場合など、食費が平均額よりも多くなることは珍しくありません。かといって無制限に食費が増えると家計を圧迫してしまいます。どの程度までは許容範囲なのかを知っておくことが大切です。
手取り収入に占める食費の理想的な割合は15~17%程度です。多くても20%以内に収まるように心がけましょう。

30代の平均貯蓄額は?

次に貯蓄額を見てみましょう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、世帯主が30代の2人以上の世帯の平均貯蓄額は601万円です。
平均値といっても、極端に数値が大きいまたは小さい一部のデータの影響を受けてしまいますので、実態とかけ離れた数値になってしまうことがあります。そこで、より実態に近い数値として「中央値」も見ておきましょう。
中央値とは、大きい順あるいは小さい順にデータを並べた時、その真ん中に位置している値のことです。30代2人以上の世帯の金融資産保有額の中央値は150万円です。また、28%の世帯は貯蓄ゼロという結果になっています。
貯蓄がゼロの人を除き、金融資産を保有している人のみの貯蓄額を確認してみると、平均値は856万円、中央値は337万円です。

家計の見直しポイント

Aさんの貯蓄額はわかりませんが、今後、マイホームの購入や出産を予定しているのであれば、貯蓄をペースアップしたいところです。まずは家計の見直しポイントを確認しましょう。
まず見直したいのが固定費です。保険は保障内容が重複していないか、不要な特約がついていないか、逆に足りない部分がないかを見直してみましょう。
通信費や光熱費のプランの見直し、また、利用していないサブスクリプションサービスなどがないかも確認すると節約につながります。
Aさんが気にしていた食費については、外食を減らすほか、食品ロスを減らすことを意識するだけでも抑えられる可能性があります。仕事が忙しいと外食やお総菜に頼ることもあるかと思います。無理のない範囲で取り組んでみてください。

貯蓄のペースアップをするには

貯蓄を増やすには、先取り貯蓄が効果的です。給与から一定額を積み立てる財形貯蓄も先取り貯蓄のひとつです。住宅購入などを検討している場合には、時期や目標額を設定することで貯蓄のモチベーションが上がります。また、iDeCoやNISAなどの税制優遇のある積立投資も上手に活用しながら「増やす」ことにも目を向けてみましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)
金融広報中央委員会 知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和5年調査結果
執筆者:宮野真弓
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者