昨年のエリザベス女王杯馬ブレイディヴェーグは、マイルCSに照準(カメラ・荒牧 徹)

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◆第41回マイルCS・G1(11月17日、京都・芝1600メートル)

 第41回マイルCS・G1(17日、京都)に出走を予定するブレイディヴェーグは、中距離を中心に使われ、昨年のエリザベス女王杯を制覇した実力馬。初の1600メートル戦だが、陣営は自信を見せる。

 衝撃の走りをひっさげ、絶対王者不在のマイル界統一に名乗りを上げた。ブレイディヴェーグは前走の府中牝馬Sで上がり3ハロン32秒8の豪脚を繰り出し他馬をごぼう抜き。中間に2度の出走取りやめと順調さを欠き、昨年11月のエリザベス女王杯V以来となったレースでも能力を見せつけた。宮田調教師も「本当にすごかったですよね。最低限の力は出してくれるかな、という仕上がりであれだけのパフォーマンスを見せてくれて、素晴らしい馬だなと感じました」と、賛辞を惜しまない。

 2つ目のG1タイトルとして照準を合わせたのは、連覇のかかる女王杯でも中距離路線の最高峰ジャパンカップでもなく、秋のマイル王決定戦。デビューから6戦全て1800メートル以上を使われ4勝2着2回と結果を残してきているだけに、意外ともいえるチョイスになった。トレーナーは「これは勝手なプランですが」と前置きしながら、「来年の春にはマイルにもチャンレンジするだろうな、というのは感じているところではあったので」と今後の展望も含めての選択と説明。ナミュールやセリフォス、英国から参戦のチャリンというマイルG1馬はいるが、安田記念を制した香港馬ロマンチックウォリアーはおらず、チャンスは十分にあるだろう。

 初距離への不安を払拭(ふっしょく)するように、この中間は抜群の動きを見せている。1週前には美浦・Wコースでラスト1ハロン11秒3をマーク。馬なりで抜群のキレを見せ、前走以上の状態をアピールした。「(追い切り)初日から前回よりキレキレ。一回使って、動ける状態になっていますね。前進気勢が一段階上がっているのは、マイルに向かう意味でプラスになると思います」と、トレーナーも確かな手応えを口にする。

 馬名の意味はオランダ語で「広い道」。中距離、牝馬限定戦だけではなく、マイルの牡牝混合戦へとビクトリーロードは今まさに広がろうとしている。「今回はチャレンジですが、トップマイラーを相手にどういう走りをしてくれるか非常に楽しみです」。底知れぬ大器の走りから目が離せない。(角田 晨)