インドネシアリーグ在籍3年、丸岡満が語る同国サッカーの現在地…森保ジャパン、15日に敵地W杯アジア最終予選
サッカー日本代表は15日、26年北中米W杯のアジア最終予選第5戦、アウェーでインドネシア代表と対戦する。かつてドイツ1部ドルトムントやC大阪でプレーしたMF丸岡満(28)は、現在インドネシア1部バリFCでプレーし、今季で同国リーグは3シーズン目となる。発展を遂げるインドネシアサッカーの今を、スポーツ報知の取材に明かした。(取材・構成 金川誉)
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約1万7000以上の島からなるインドネシアは、国土は日本の5倍、世界第4位の人口約2億8000万人(日本は1億2000万人の12位)を誇る。同国リーグで22年よりプレーする丸岡は「すごくサッカーに熱狂的な国です」と明かす。
現在のインドネシア代表は、かつて韓国代表を率いた申台龍(シン・テヨン)監督の下、積極的に帰化選手をチームに加えている。さらに今回招集された27人中15人が海外でプレー。イタリアセリエAのベネチアでレギュラーを張る190センチのセンターバック、DFジェイ・イズス(24)ら、インドネシアにルーツを持つ選手を数多く集めている。
「帰化選手が増えて、レベルは高くなっています。サッカー協会が、本当にW杯に出たいんだっていう気持ちになっている証拠。インドネシア全体が、サッカーに力を入れているなっていうのは感じます」
また丸岡のプレーする同国1部リーグも「僕が肌で感じてるのは1年目より2年目、2年目より3年目、とレベルが上がってきています」という。その理由は、リーグの外国人枠の増加だ。
「1年目は外国人枠は4枚とかでしたけど、2年目6枚、今年は8枚外国人枠がある。試合に出場できるのは6人ですけど。だから外国人も使いつつ、本当にいいローカル(地元)の選手だけが出られる感覚。6人外国人選手が出たら、5人しかローカル選手出られない。さらに1枚は若手枠として、U―23(23歳以下)の選手も出場します。外国人選手のクオリティも高いので、レベルが上がってきていると感じています」。外国人選手との対戦やポジション争いの中で、地元選手の質も向上。その中で、丸岡が注目するのはDFリズキー・リド(ペルシジャ・ジャカルタ)だ。「代表でもスタメンで出ることが多い。まだ若い(22歳)ですけど、チームでもキャプテンしています。ポゼッションができるセンターバックです」と語る。
現地でプレーする中で「インドネシアのサッカー熱を感じると、ここでプレーしたい、と思っていますね。例えば(所属クラブのある)バリだけじゃなく、ジャカルタに行ってもマルオカ、頑張ってくれよ! と声をかけられたりもする。どこに行っても、サッカーの人気がすごいなと」。例えば同国のビッグクラブ、ペルシブ・バンドンのインスタグラムフォロワー数は794万人。かつて同国代表DFアルハン(現韓国1部水原)が加入した、東京Vのインスタフォロワー数が爆増(現在は34万人)したが、Jクラブで100万人を超すインスタのフォロー数を持つクラブはない。
そのサッカー熱が、大惨事を引き起こした過去もある。22年にはサポーターが暴動を起こし、130人以上の死者、300人以上の負傷者が出た悲劇も起こった。「(インドネシアに来て)1年目でそれがあった。僕自身、死者が出る前の試合で勝利したときに、サポーターがスタジアムに流れ込んでくるような状況があった。ちょっと怖さはありますけど、それぐらい、サポーターも熱狂的です」。現在でもサポーターはアウェーの試合には入れない状況が続いており、安全面の改善は進んでいるという。
日本代表との試合は「間違いなくフルスタジアム(満員)だと思う。町もインドネシア代表の時はすごいですから。みんながサッカーを見ているって感じになるので。たくさん警察が出動して、セキュリティもしっかりして、満員になると思います。めちゃくちゃ盛り上がると思いますよ」。C大阪時代の先輩に当たるMF南野拓実らを擁する日本と、自身がプレーするインドネシアとの一戦を、心待ちにしていた。
◆丸岡 満(まるおか・みつる)1996年1月6日、徳島県生まれ。28歳。C大阪U―18でプレーしていた際、欧州遠征でドルトムントのスカウトの目に留まる。13年12月にC大阪のトップチーム昇格が内定し、18歳となった14年1月にドルトムントへ期限付き移籍。同年9月のマインツ戦でブンデスリーガデビュー。16年よりC大阪復帰。17年長崎、18年徳島への期限付き移籍。タイ1部パトゥム、韓国2部金浦でのプレーを経て、22年にインドネシア1部のヌサンタラFCへ。今季より同国1部のバリFCへ加入。173センチ、64キロ。