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 田中真紀子元外相(80)が11日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月〜金後1・55)にリモートで生出演し、石破茂首相(67)の外交に“急告”を送った。

 石破氏はこの日、行われた首相指名選挙で決選投票の末、立憲民主党の野田佳彦代表を破り、第103代首相に選出された。番組では、石破氏の選出を見越し、さまざまな議論が展開された。

 日本にとって重要になるのは、同盟国でもある米国との関係。来年1月に就任するドナルド・トランプ次期大統領は、米国第一主義を掲げ、輸入品に関税をかけるなどの政策を公言している。そんな中、既にお祝いの電話をかけており、トランプ氏との会話の印象について、「本音で会話できる印象を持った」と語った。

 MCのフリーアナウンサー宮根誠司から「外交というのは交渉もあるけど、個人的付き合いも大事?」と問われた真紀子氏は、「“本音で話ができる印象を持った”なんていうのは、あれはお粗末で話にならないですけど」と、まず石破氏の発言にチクリ。「個人的な肝胆相照らして、相性がいいというのはあると思いますね。アメリカだけじゃなくてもヨーロッパでもそう」と、外相や科技庁長官時代の経験を振り返りながら語った。

 石破首相は今月中にもトランプ氏と対面できるよう、調整が進んでいる。しかし、真紀子氏は「石破さん、走って行って、早くにトランプ次期大統領に会わない方がいいと思います。会わない方がいい。できるだけ会わないで様子を見た方がいい」と忠告した。

 「トランプさんっていうおじさん、なかなか危険ですからね」。真紀子節をまじえながら指摘しつつ、「今まで同盟国、日本やヨーロッパと今まで作っていたTPP、パリ協定、環境問題とか、NATO(北大西洋条約機構)なんかも、不協和音ですよ。離脱するとかね」と、トランプ氏が絡むと国際的な枠組みに亀裂が入ることを懸念した。

 その上で、「こういうことを我が方の陣営で、ヨーロッパやアジアの他の陣営と足並みそろえてよく見てから出ないと、自分で突発的に出て行っちゃったりして、“あれのめ、これのめ”と言われて、“はいはい”と言われたら、引っ込み付かなくなりますよ。日本の国益を損なうから」と警鐘。「ましてや、おっちょこちょいが出て行かない方がいいと思いますよ」と、石破氏をいじった。

 宮根が「一刻も早く会った方が個人的な付き合いが…」と食い下がろうとすると、真紀子氏は「そんなことない。この2人はダメ。普通はそうかもしれません」と、食い気味に返した。