第2クオーター、タッチダウンを奪い喜ぶ立命大のRB・山嵜大央(奥)ら(撮影・北村雅宏)

写真拡大

 「関西学生アメフト、立命大24−14関学大」(10日、万博記念競技場)

 立命大が24−14で61度目の優勝を決めていた関学大に快勝した。両校がともに6勝1敗で並び同率Vとなった。立命大は2年連続14度目の優勝。また、立命大がリーグ戦で関学大に勝ったのは2019年以来、5年ぶりとなった。リーグ戦上位3チームが出場する全国大学選手権には、当該チーム同士の対戦成績で1位相当が立命大、2位相当が関学大となり、5勝2敗の関大が3位で進出することが決まった。

 前半は互角の攻防だった。まずは第1Qに立命大のRB蓑部雄望(2年)が先制のタッチダウンを奪う。だが、第2Qに関学大はエースRBの伊丹翔栄(4年)がすかさずタッチダウンを返したが、コンバージョンを失敗。立命大はその直後に主将のRB山嵜大央(4年)が自陣から抜け出し、サイドライン際を駆け抜けて65ヤードのビッグゲインで鮮やかなタッチダウンを決めた。しかし、関学大も伊丹が再びタッチダウンを決め、さらにツーポイントコンバージョンを成功させて14−14に追いつく。前半終了間際に立命大がFGを決めて前半を17−14とリードしたものの、一進一退の展開が続いた。

 後半に入ると、立命大のディフェンスが関学大の攻撃をほとんど封じてチャンスらしいチャンスを与えない。第3Qはともにノースコアだったが、第4Qに山嵜が中央を力強く突破して決定的なタッチダウンを決めて勝負を決めた。就任1年目の高橋健太郎監督は「残り1秒まで気を抜くことができなかった。勝ちにこだわった試合だったが、学生たちが精いっぱいやってくれた」とホッとした表情をのぞかせた。

 10月14日の関大戦で13−24と敗戦を喫して、「チームが空中分解しかけた」と高橋監督が振り返るほど大きなショックを受けた。山嵜主将も「歯車がかみ合わなくなった」と立て直しに苦しい日々を過ごしたという。しかし、関学大戦の前日練習で「このチームで日本一になりたい」と主将の熱い訴えに、ようやくチーム全員が呼応。特に後半は関学大に得点を与えないパーフェクトな戦いぶりだった。

 それでも高橋監督は「関学大はまだ余裕があった。隠しているプレーがたくさんあるはず。甲子園ボウル(12月15日)で本気の関学に勝ってこそ本物」と気を引き締める。山嵜主将も「まずは関大に借りを返したい」ときっぱり。2015年以来となる甲子園ボウル制覇へ、このまま勢いに乗って突き進んでいく。