【MLB】大谷翔平、「51盗塁目」“記念ベース”の所有権を巡り、ファンが球団を提訴「事実は非常に単純だ」
ドジャースの大谷翔平投手が記録した「51盗塁目」の記念ベースを巡り、米野球ファンが球団を相手に訴訟を起こし、所有権を主張していると現地メディア『インデペンデント』が報じた。
■ファンが購入したはずのベースが……
大谷は19日(日本時間20日)の敵地でのマーリンズ戦で3打席連続本塁打を放つなど、6打数6安打3本塁打10打点2盗塁と躍動。前人未到の「50-50」に到達した。
「50-50」記念球は10月22日(同23日)、オークションにて手数料込みで約440万ドル(約6億7300万円)で落札され、記念球の歴代最高額を更新した。
大谷は同日、第1打席で今季50個目の盗塁に成功。第2打席でも51盗塁目を記録した。この大谷の「記念ベース」を巡り、所有権を主張するファンが、球団を提訴。ベースの引き渡しを求めている。
『インデペンデント』によると、メジャーでは試合で使用したベース、ボール、バット、ヘルメットなどは「試合使用品」として販売することができ、通常の試合で使用されたベースは100ドル(約15000円)以下で購入することができる。
提訴したファンは「50盗塁目」の記念ベースは球団側に渡ることを見越して、「50盗塁を決めたときにスタート地点だったベースがほしい」と、2500ドル(約40万円)での購入を希望しマーリンズの試合使用記念品販売部門から、事前に購入の許可を得ていたという。
盗塁後に、マーリンズの営業担当者から「50盗塁目(三盗)を決めた際に二塁ベースは回収し、確保しています」との返信があったというが、実際には二塁ベースは回収されておらず、第2打席で大谷がそのベースに二盗を決めたことから、ファンが購入予定だったベースは「51盗塁目」の記念ベースとして、ドジャース側に渡ってしまったのだという。
このため、ファンはマーリンズを購入契約違反、ドジャースを「不当な差し押さえをしている」とし購入妨害で提訴に踏み切った。
ファンの代理人を務める弁護士のリチャード・ロス氏は、「事実は非常に単純だ」とし、「彼にはそのベースの所有権があり、我々はベースを取り戻すか、ベースの価値を取り戻すかのどちらかになる。そしてベースには非常に価値があるだろう」とベースの引き渡しか対価の支払いを求めた。
もしマーリンズが大谷の50盗塁直後に二塁を適切に回収していたら、「51盗塁目は違ったベースになっていただろう」し、この論争は存在しなかっただろうとも語っている。