主張・政策を見える化 投票先を決める参考に

 衆議院選挙、あなたは何を重視して一票を投じますか? 候補者の主張や政党の政策の違いを「見える化」する取り組みも行われています。

 香川県丸亀市で候補者のポスターを撮影していたのは三豊市の同性カップル、田中昭全さんと川田有希さん。弁護士の佐藤倫子さんです。

 同性同士の結婚を認めない民法などの規定は憲法に反するとして、国を相手に裁判を起こしています。

 同性婚の法制化を目指す団体(公益社団法人Marriage For All Japan)が開発した「PRIDE VISION」というサービスを香川でも使えるようにするため、17日、候補者1人1人のポスター画像を撮影し、登録していました。

(同性婚訴訟の原告/田中昭全さん)
「同性婚を求めてる裁判の原告としていろいろ闘ったりしているので、一人でも多くの人に、同性婚に賛成している候補者がこれだけいるんですよというのを、アプリを通して見えるようにしてくれているので」

 専用のサイトにアクセスしてスマートフォンのカメラをポスターにかざすと、同性婚に「賛成」、「どちらかといえば賛成」と回答している候補者が画面上で虹色に変わる仕組みです。

 「投票先を考える一つのきっかけ」にしてもらうのが狙いで、香川県の全選挙区、岡山県では2区から4区が対応しています。

(同性婚訴訟の代理人/佐藤倫子 弁護士)
「投票と、何かの実現、同性婚の実現などを結びつけていただくということが私たちとしては期待するところです」

(同性婚訴訟の原告/川田有希さん)
「楽しみながら、新しく選挙行ってみようかなという人が増えたらいいなと思います」

自分の考えに近い政党は

 同性婚だけではなく、選択的夫婦別姓や消費税、政治とカネなど、さまざまな社会課題に関する質問に答えると、自分の考えに近い政策を掲げる政党をマッチングしてくれるサイトもあります。

 投票の「量と質」の向上を目指すNPO法人「Mielka」が提供する「JAPAN CHOICE」です。

(Mielka代表/結城東輝 弁護士)
「どこの政党が何を言ってるかということ自体が実はよく分かってないという方々がかなりいらっしゃる。関心はあるんだけど、まだ投票に行けてないとか、行ったことがないという方々の意思決定をサポートする。まずは(投票に行く)入り口のハードルを下げるということ」

 新機能の「世論地図」は保守とリベラル、改憲と護憲といった大ざっぱな対立軸ではなく、トピックごとに多様な意見をAIでグループ分けし、自分や政党の立ち位置を知ることができます。

 現役の大学生で、Mielkaの理事、森田馨さん(22)は全ての政策について理解していなくても学生なら教育費、子育て世帯は育児、など一番重視したいことで投票先を選べばいいと話します。

(Mielka/森田馨 理事)
「一人一人が自分の関心のあることで投票していったとしても、世の中全体の人がみんなが参加してくれたら、それが世の中の形として、選挙の結果として表れてくるんじゃないかなと思っているので、本当に自分の身近な争点、何か一つきっかけでもつかんだら、その出来事に対して自分の意見を表明するために投票に行くというのが一つ大切なんじゃないかなと考えています」