【菊花賞/データ攻略】「枠関係なく、買い一択」の実力馬 “超絶ラップ”根拠にダノンデサイル撃破も
今週は京都競馬場で菊花賞(芝3000m)が行われる。春のクラシック戦線を盛り上げた既存勢力に挑む夏の上がり馬。クラシック最終戦にふさわしいメンバーによる激闘が繰り広げられそうだ。
ここでは、2012年以降の京都で開催された10年データからヘデントールとシュバルツクーゲルにフォーカスしたデータを取り上げる。
ヘデントールに【1.0.2.1】の追い風
2連勝で勇躍三冠ラストの舞台に駒を進めたヘデントール。勝つ時のパフォーマンスは極めて派手で、底知れぬ強さを感じる1頭だ。それでも春のクラシックを戦ってきた相手では分が悪いとの印象から、当日は4番人気以下が濃厚。人気なりの結果に終わるのか……そう決めつけるにはまだ早い。
・前走新潟芝2200mで1着かつ右回り勝利実績あり【1.0.2.1】
該当馬4頭中3頭が馬券内。このなかには10番人気以下で馬券内に入ったユーキャンスマイル、ポポカテペトル、そして記憶に新しい昨年の勝ち馬ドゥレッツァの名前が挙がる。菊花賞と関連性の強い新潟芝2200m組と、本レースの舞台である右回り適性を掛け合わせたことで生まれたデータだ。
ヘデントールについて補足すると、前走日本海Sで示したラップは異常。後半1000mをみると【11秒5-11秒9-11秒7-11秒3-11秒1】、その合計は57秒5。コーナーが多く、直線の短い新潟内回りでこんな数字を叩き出した馬を私は見たことがない。ダービー馬・ダノンデサイルをはじめとした春の実績馬を一蹴しうるポテンシャルの持ち主。7枠もなんのその、前走の再現をも望める1頭と捉えたい。
■シュバルツクーゲル【0.0.0.10】の厚い壁
その一方で、ヘデントールと同じく前走夏競馬から臨むシュバルツクーゲルにはマイナスデータが浮上。2歳時には東スポ杯2歳S2着と早くから素質の一端を証明してきた馬。脚質転換に成功した今なら大舞台での激走に期待したくなるところだが、上位進出に待ったをかけるデータとは?
・前走芝2000m勝ち馬【0.0.0.10】
10頭が走って馬券内はゼロ。このなかには当日1番人気に支持されたブラストワンピースも該当していたが、一気の距離延長を克服することができず敗戦。前走で2000m適性を示しすぎるのも問題なのだろう。
この馬の戦績を見ると、かつて安田記念や宝塚記念で馬券内に入った名脇役・ショウナンマイティの姿が思い浮かぶ。2頭の共通点は夏競馬に3勝クラスを制した差し馬であること。将来的には中距離重賞に手が届く馬だと考えているが、3000mの舞台ではさすがに割引が必要だろう。長い目で追いかけたい1頭だ。
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。