実戦形式の練習で登板したソフトバンク・前田純

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 ソフトバンクがポストシーズンを勝ち抜くために投入する“秘密兵器”が13日、ベールを脱いだ。みずほペイペイでシムゲーム(試合形式の練習)を行い、今年7月に支配下登録された2年目左腕・前田純投手も登板。打者8人に対して2安打4奪三振という好内容。甲斐に浴びた中前打も、二塁手を務めた小久保監督がゴロの打球に追いつかなかった“不運”な安打だった。この投球で、第2先発としてのポジションを確定させた。

 川村、柳田、近藤、柳町と、空振り三振に仕留められた選手が不思議そうな表情でバッターボックスを去る。直球は140キロ台前半。だが柳町いわく「当たると思ったら当たらない」。小久保監督も「魔球! 垂れそうで垂れない!」と絶賛するように打者の手前でホップするのだ。

 前田純は球界を代表する打者を手玉にとって「ちょっとウキウキしながら投げてました」と笑顔。「特徴を生かして、高め、低めをうまく打者に見せて、真っすぐで押し込めた。それを試合でもやっていけたら」と胸を張った。

 首脳陣からは、先発投手が早いイニングで崩れたケースの第2先発として起用すると伝えられたようだ。1軍では9月29日の日本ハム戦で先発し、6回無失点でプロ初登板初先発初勝利を挙げたのが唯一の投球だった。「相手にデータがないと思うので、そこで自分の投球ができたら」。2022年育成ドラフト10位で入団した雑草派が、大舞台でシンデレラボーイになる。