出雲駅伝で「かっとばせ大作戦」を発令した青学大の原晋監督

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 青学大の原晋監督(57)は13日、学生3大駅伝開幕戦の出雲駅伝(14日、島根・出雲大社前スタート、出雲ドーム前ゴール=6区間45・1キロ)に向けて「かっとばせ!大作戦」を発令した。

 「米国メジャーリーグではポストシーズン、日本のプロ野球ではクライマックスシリーズが盛り上がっていますが、2024年度の大学駅伝もいよいよ開幕します。ドジャースの大谷翔平選手にも負けずに盛り上がっていきますよ! 名付けて『かっとばせ!大作戦』です」と威勢よく宣言した。

 青学大は原監督が「駅伝男」と絶対の自信を寄せるダブルエースの太田蒼生(4年)を最長の最終6区に、黒田朝日(3年)をエース区間の3区に起用。1区には鶴川正也(4年)を投入。万全のメンバーで年度をまたいだ学生駅伝連勝と、出雲路で6年ぶり5度目の優勝を狙う。

 原監督の「大作戦発令」は、すっかり恒例となった一方で一部では「マンネリ」「もういい」という声もあるが、今季も続行する。昨季の学生3大駅伝は、出雲駅伝が4位、全日本大学駅伝が2位。そして、箱根駅伝では総合新記録で2年ぶり7度目の優勝を果たした。今季もブレずに青学大らしく戦う。

 今季開幕戦の出雲駅伝は、前年覇者の駒大と箱根覇者の青学大を軸に、平林清澄(4年)を中心に勢いがある国学院大、前回2位の城西大、同5位の早大などが激しい優勝争いを展開しそうだ。6区間45・1キロのスピード駅伝は序盤から各校が「かっ飛ばす」スリリングな展開となることは間違いない。

 青学大の区間登録は以下の通り。

1区( 8・0キロ)鶴川 正也(4年)

2区( 5・8キロ)野村 昭夢(4年)

3区( 8・5キロ)黒田 朝日(3年)

4区( 6・2キロ)宇田川瞬矢(3年)

5区( 6・4キロ)若林 宏樹(4年)

6区(10・2キロ)太田 蒼生(4年)

補欠        白石 光星(4年)

          塩出 翔太(3年)

 ◇青学大・原晋監督発令の大作戦シリーズと結果◇

13年箱根駅伝 Z大作戦(エース出岐雄大を切り札としてアンカーに起用。アルファベットの最後のZが由来)8位

14年箱根駅伝 S大作戦(9、10区に世羅高出身の藤川拓也、竹内一輝を並べて勝負。世羅のSが由来)5位

15年箱根駅伝 ワクワク大作戦(原監督「初優勝できるかもしれない。ワクワクしている」。大作戦が初めて全国的に認知された)優勝

15年出雲駅伝 青トレ大作戦(中野ジェームズ修トレーナーの指導による体幹トレーニングの効果をアピール)優勝

15年全日本大学駅伝 あっぱれ大爆走大作戦(原監督「会見で司会者に急に振られて即興で考えた」。準備不足がたたり敗戦)2位

16年箱根駅伝 ハッピー大作戦(原監督「選手、スタッフ、監督、コーチ、OB、ファン全員がハッピーになるレースをします」)優勝

16年出雲駅伝 神ってるぞ青山大作戦(広島県出身の原監督がプロ野球・広島の緒方孝市監督が発した流行語をヒントに命名)優勝

16年全日本大学駅伝 エビフライ大作戦(原監督「(開催地の)名古屋と言えばエビフリャー。頭から尻尾まで全部おいしい」)優勝

17年箱根駅伝 サンキュー大作戦(3連覇&3冠を目指す。原監督となって9度目の出場。感謝の気持ちで臨む)優勝

17年出雲駅伝 陸王大作戦(原監督が出演したTBS系ドラマ「陸王」の番組宣伝? フジテレビ系放送の出雲では相性が悪く敗戦)2位

17年全日本大学駅伝 青山祭大作戦(学園祭シーズン。「打ち上げ花火をドンと上げたい」と意気込むも不発)3位

18年箱根駅伝 ハーモニー大作戦(混戦必至だが、指揮者を自任する原監督は「美しいハーモニーを奏でることが出来れば勝てる」)優勝

18年出雲駅伝 ヨロシク大作戦(出雲「4」勝目を狙う。「6」区間の総合力で勝負。ポイントは「4」区の吉田圭太。「9」度目の出雲路に臨む)優勝

18年全日本大学駅伝 メラメラ大作戦(原監督「出雲駅伝を勝ったが、チーム全員満足していない。メラメラ燃えています」)優勝

19年箱根駅伝 ゴーゴー大作戦(原監督「アチチ、アチ、燃えてるんだろうか! 箱根5連覇に向けて郷ひろみさんのように燃えています」。しかし、不完全燃焼で惜敗)2位

19年出雲駅伝 出てこい!駅伝男大作戦(原監督「レースで練習以上の力を出せる駅伝男が出てきてほしい」)5位

19年全日本大学駅伝 私(青学大)失敗しないので大作戦(今大会を放送するテレビ朝日系人気ドラマの主演・米倉涼子の決めゼリフ)2位

20年箱根駅伝 やっぱり大作戦(原監督「やっぱり青学大は強かった、と言わせたい」。宣言通りにV奪回)優勝

20年出雲駅伝 ※新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会中止

20年全日本大学駅伝 コロナに負けるな!大作戦(原監督「選手、監督、大会関係者、ファン全員でコロナに勝とう!」)4位

21年箱根駅伝 絆大作戦(原監督「未曽有のシーズンの箱根駅伝では駅伝の原点である絆を大切して戦いたい」)4位

21年出雲駅伝 結(むすび)大作戦(原監督「縁結びの神様として名高い出雲神社からスタートするレースに団結して臨む。コロナ禍が早く終結することを願う」)2位

21年全日本大学駅伝 男前大作戦(原監督「青学大のイケメン(男前)ランナーが『男だろ!』のかけ声で力を発揮する駒大の前でレースを進める積極策で優勝狙う」)2位

22年箱根駅伝 パワフル大作戦(原監督「選手、マネジャー、スタッフの『力』を結集してパワフルに戦います」)優勝

22年出雲駅伝 パチパチ大作戦(原監督「まだコロナ禍の影響で大声の応援は難しいですが、すべての学生ランナーにパチパチと大きな拍手を送っていただきたい」)4位

22年全日本大学駅伝 プライド大作戦(前年度の箱根駅伝王者のプライドをかけて臨む)3位

23年箱根駅伝 ピース大作戦(原監督「世界中が平和になることを願う。平和であってこそ箱根駅伝が行われることに感謝)3位

23年出雲駅伝 イット!大作戦(5年ぶりの一等賞を狙う。出雲駅伝を放送するフジテレビ系のニュース番組「Live News イット!」の番宣も兼ねる)4位

23年全日本大学駅伝 名古屋大作戦(原監督「序盤の名古屋エリアがポイント」)2位

24年箱根駅伝 負けてたまるか!大作戦(絶対王者の駒大にチーム一丸で強い気持ちで挑む)優勝

24年出雲駅伝 かっとばせ!大作戦(原監督「ドジャースの大谷翔平に負けずに大学駅伝も盛り上げていきます」)