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 中日が来季の打撃コーチとして元ソフトバンクの松中信彦氏(50、写真)を招へいすることが12日、分かった。「平成唯一の3冠王」が、3年連続最下位に沈んだ今季からの巻き返しの切り札となる。

 新生・井上ドラゴンズの組閣の“目玉”が判明した。現役時代はソフトバンク(入団時はダイエー)一筋だった松中氏は、04年に打率・358、44本塁打、120打点で史上7人目の3冠王に輝き、首位打者2回、本塁打王2回、打点王3回など計11個のタイトルを獲得。常勝軍団の主砲として活躍した。

 15年にソフトバンク退団後は、現役続行を視野に自主練習を続けたがNPB復帰はかなわず、16年3月に引退を表明。会見では「野球に携わる仕事をしたい。いずれは3冠王になるような選手を育てたい」と夢を語った。20年に四国・香川のGM兼総監督に就任。21年にはロッテで臨時打撃コーチを務めたが、正式なコーチ就任は初めてとなる。

 中日は低迷の責任を取る形で立浪前監督が辞任し、10日に2軍監督だった井上新監督が就任会見を開いたばかり。井上監督が鹿児島県、松中氏は熊本県と同じ南九州出身で、井上監督が2学年上と年齢も近い。今季リーグワーストの373得点に終わった得点力不足解消へ、卓越した打撃理論を持つ大打者の手腕にかける。

 ◇松中 信彦(まつなか・のぶひこ)1973年(昭48)12月26日生まれ、熊本県出身の50歳。八代第一(現秀岳館)から新日鉄君津を経て、96年ドラフト2位(逆指名)でダイエー入り。2004年に史上7人目の3冠王。00、04年はパ・リーグMVP。15年オフにソフトバンクを退団し、16年3月に引退。20年に四国・香川のGM兼総監督、21年はロッテ臨時打撃コーチを務めた。1996年アトランタ五輪、2006年WBC日本代表。左投げ左打ち。