「パニック発作」を起こさないために、ふだんの生活で気を付けること。不安を軽くするコツ

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パニック症は、パニック発作をくり返す病気です。パニック発作は、身体的な原因はないにもかかわらず、さまざまな不快な症状が突然生じるもの。パニック症の本質は、「このまま死ぬかもしれない」という強い恐怖感・不安感にあります。恐怖や不安は、危険を避けて生き延びていくために必要なものですが、行きすぎれば生活に支障をきたします。発作を避けようとしてどんどん「できないこと」が増えていけば、自己否定感が強まり、うつ状態に陥ることもあります。そんな「パニック症」の最新情報や、正しい理解のための本『名医が答える! パニック症 治療大全』より一部抜粋してお届けします。

ふだんの生活で、注意点はありますか?

うつ症状が強いなど、療養が必要な時期には体が欲するまま休むことも必要ですが、日常生活が送れているのであれば、ふだんどおりでかまいません。ただし、生活のリズムは意識的に整えていきましょう。パニック発作と関連が深い自律神経は、日中は交感神経が優位に働き、夜間は副交感神経が優位に働きます。生活リズムが崩れると、自律神経の働き方のバランスは不安定になりがちです。交感神経の高ぶりは、過呼吸やパニック発作に結びつきやすくなります)。

・十分な睡眠と規則正しい生活を心がける睡眠は生活リズムをつくる基本です。調子がよくなってきても、不眠不休で働くなど、生活リズムが乱れるような過ごし方は避けてください。

・起床時間は早めに早起きは早寝の習慣につながります。起床時間を守ることで、生活や体のリズムが安定しやすくなります。目が覚めたら、カーテンを開けて日光を浴びることで、活動モードに切り替わりやすくなります。

・食事の時間を守る食事は活動のためのエネルギー源となるだけでなく、生活の「拍」となるもの。決まった時間にとることでリズムが整いやすくなります。とくに朝食は、活動モードに切り替えるスイッチになります。きちんととりましょう。

・過剰なストレスは避ける過労や過剰なストレスは、交感神経の高ぶりをまねきます。仕事でも遊びでも、夜遅くまで活動を続けるのはストレスになります。夜間は心身ともにゆっくり休めるよう、意識的にリラックスモードに切り替えていきましょう。

・適度な運動を習慣化する日中、できるだけ体を動かしましょう。

いずれも健康を保つうえで常識ともいえることばかりですが、それを守り続けるのは意外に難しいものです。意識的に活動と休息のメリハリをつけていきましょう。

眠りたいのですが、よく眠れません

寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早くに目が覚めて寝つけなくなるなど、睡眠に関する悩みがあるときは、まずは生活の見直しをはかります。

・夕食後のカフェイン摂取を控える

・食事は少なくとも就寝の2〜3時間前に終わらせる

・昼寝をする場合は、午後3時までの間に20〜30分間程度にする

・就寝直前までスマートフォンなどの画面と長時間向き合うのは避ける

過剰なストレス、運動不足など生活リズムを乱す要因があれば、その対策も必要です。それでも改善しなければ、主治医に相談しましょう。場合によって薬の助けを借りたほうがよいこともあります。なお、「お酒を飲むとよく眠れる」と勘違いしている人もいますが、アルコールは眠りを浅くします。睡眠薬がわりに寝酒をするのはやめましょう。

続きは<「パニック症」を周囲にどう伝える? 伝えられた方はどう接するのが正解?>で公開中。

「パニック症」を周囲にどう伝える? 伝えられた方はどう接するのが正解?