缶チューハイ片手に駐車場で蛇行運転 「こんな人まだいるのか」追跡
飲酒運転事故を未然に防いだとして、福岡県警小倉北署は9月27日、北九州市小倉北区の会社員岩崎奈津子さん(53)に感謝状を贈った。
岩崎さんが飲酒運転を目撃したのは、福岡市の「海の中道大橋」で起きた飲酒運転事故から18年となった日。犠牲になった幼児と自身の子どもを重ね合わせ、「飲酒運転は絶対になくなってほしい」と語った。
【写真】福岡・海の中道大橋3児死亡事故から17年 飲酒運転撲滅訴える
8月25日、小倉北区の量販店の駐車場。蛇行していた車の運転手の60代男性が、缶チューハイを手にしているのが見えた。バックもままならず、何度も切り返して駐車していた。「こんな人がまだいるのか」
すぐに110番通報し、警察官の到着を待った。店内に入った男性が再び車に戻って運転しないよう、買い物かごを持って歩く男性を追った。10分ほど後、警察官が到着。男性の呼気からは基準値の3倍以上のアルコールが検出された。小倉北署は酒気帯び運転の疑いで調べている。男性は反省の言葉を述べているという。
同署管内の飲酒運転事故は昨年は3件だったが、今年は8月末時点で9件発生と急増している。磯辺芳文署長は「勇気ある行動に感謝したい。一般の方からの通報は本当にありがたい。情報を生かし、飲酒運転事故を1件でも減らせるように努めていく」と話した。(興津洋樹)