キャッチボールを終え、笑顔を見せる野村(撮影・市尻達拡)

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 今季限りで現役を引退する広島・野村祐輔投手(35)が4日、5日・ヤクルト戦(マツダ)の最終登板へ向け、本拠地で調整を行った。先発し、1イニングを予定している。自身の持つ日本記録をさらに更新する、デビューから211試合連続の先発登板へ、準備万全。感謝の思いを胸に、最後のマウンドに立つ。

 カープ一筋13年のプロ野球人生がついに幕を閉じる。野村は現役最後のマウンドを前に、率直な心境を口にした。

 「本当にいよいよだなという思いです。『寂しい』がやっぱり一番出てくると思いますけど、感謝の思いをしっかりマウンドで表現できたらなと思います」

 9月27日に今季限りでの引退を発表。多くの選手が右腕への感謝を述べる中、新井監督もこれまでの功績をたたえ、「舞台を整えてあげたい」と花道を用意することを約束した。予告通り、用意されたのは本拠地での今季最終戦という最高の舞台。先発し、1イニングを投げる予定だ。デビューから続く210試合連続先発登板の日本記録。数字をまた一つ積み重ねてユニホームを脱ぐことになる。

 この日は本拠地で最終調整。ランニングなど、いつも通り入念に体を温めると、まずは明大の後輩・森下とキャッチボール。その後は玉村、森も相手役を志願し、快く引き受けた。「やらせてくださいとみんなが言ってくれたんで。ありがたい限りです。うれしかったです」と照れ笑い。終始、和やかなムードで最後の練習を終えた。

 美しいワインドアップも、針の穴に糸を通すような抜群の制球力もこれで見納めとなる。「本当に13年間やってきた全てが出せるように投げたい。そういうところを見てもらいたいと思います」と野村。慣れ親しんだ本拠地で、最後の輝きを放つ。