ESSEonlineに掲載された記事のなかから、10月に読みたいベストヒット記事をピックアップ!

ブログで家族のための料理を紹介し一躍人気ブロガーとなったおにゃさん。体重80kgオーバーまで太ってしまった夫のために、糖質オフのごはんづくりに取り組んだことがきっかけでダイエットについての勉強を本格的にスタート。

※ 記事の初出は2023年10月。年齢など内容は執筆時の状況です。

ダイエットカウンセラーとしての活動を開始し、今年春には独自のダイエットメソッドとレシピをまとめた『炭水化物とタンパク質で50代が続々10kg以上やせ! たんタンダイエット』(扶桑社刊)が、「年齢を重ねていても無理なくやせられる!」と話題に。その人気の秘密をお聞きしました。

ダイエットカウンセラー・おにゃさんに聞いた、50代以上でもやせる「たんタンダイエット」

「たんタンダイエット」は、炭水化物とタンパク質を適度にとる、年代を問わないダイエット方法で、とくに50代以上の人から多くの支持を集めています。40代を過ぎると体の代謝が悪くなり、なかなかやせられないことが多いもの。

ところが「たんタンダイエット」では10kg以上やせたという例も少なくありません。成功者続出のカギはどこにあるのでしょう?

●36歳でコレステロール値に黄信号。実体験がベースに

――とくに50代、60代の方からの支持が熱い「たんタンダイエット」。メソッドを考えるときにこの年代について意識しましたか?

おにゃ:とくに年齢を限定していたわけではないです。ただ、ダイエット方法として「健康的にやせる」ということは強く意識していました。

というのも、私自身、以前は血中コレステロール値が高かったんですよ。体重は問題ありませんでしたが、ここから先、具合が悪くなったら困るな、目指せ「ザ・健康!」という気持ちでした。そしてたどり着いたのが、「たんタンダイエット」。タンパク質をしっかりとって、適度に炭水化物もとるという方法です。

――「炭水化物を食べてもいい」のがうれしいですね! 『たんタンダイエット』の前には『夫もやせた!糖質オフのダイエットおかず』『#おにゃ式 糖質オフの「食べてやせるレシピ」』(ともに扶桑社刊)という糖質オフレシピの本も発表されていますが、ダイエット方法が変化したきっかけは?

おにゃ:糖質オフは、夫がすごく太ってしまったときに緊急で行ったダイエットでした。もともとうちの夫は、甘いもの、ビール、白米が大好き。しかも、お腹いっぱいになるまで食べないと満足できないタイプでした。お菓子を食べることでストレスを発散していたので、夕食後に菓子パンを食べ直したりしていて。結婚7年で11kgも太ってしまったんです。どう考えても不健康で、だるそうで、それなら糖質オフをやってみようと。

――糖質オフダイエットの効果はいかがでしたか?

おにゃ:半年間で、結婚7年で蓄積した11kg以上のダイエットに成功しました。糖質依存だったので、すごく効果も高かった。でも、このときもきっちり糖質オフをしたのかというと、「無理をしない」ということを重視しました。小さな子どもが2人いて、夫だけの特別メニューを作るのは難しい。おかずは家族全員が食べられるものにして、最初はから揚げやハンバーグといった夫の好物をおからパウダーで糖質オフ仕様にしたり、気分が上がるようにアレンジしました。

「家族で同じものを食べる」というのは大事なことだと思っていて、それはダイエットをしている夫が寂しい気持ちにならないようにということでもあったし、つくる労力を減らしたいという思いもありました。

ですから「たんタンダイエット」は特別に編み出したものではなくて、家族の食事がベースになっています。当時からタンパク質多め、脂質少なめのおかずを食べながら、子どもや私は炭水化物もそれなりにとっていたんですよね。

『#おにゃ式 糖質オフの「食べてやせるレシピ」』を出す頃には、「食べすぎもよくないけれど、食べなさすぎもよくないだろう」と、夫も適度に炭水化物をとるようになりました。でも、味覚が変わって以前のように菓子パンをドカ食いしたりしなくなったし、子どもは「たんタンダイエット」の食事が日常です。

●炭水化物との上手なつき合い方

――炭水化物がとれるというのは、「たんタンダイエット」の大きな魅力のひとつではないですか?

おにゃ:私自身、炭水化物が好きですし、栄養素としても欠かすことのできないものです。一切口にしない、という状態はずっと続けられませんよね。とくに日本の外食メニューは、パスタ、丼、うどん、サンドイッチなど、炭水化物中心のものが多くて、ストイックに糖質オフをしようとすると外食もできず辛くなっちゃうんです。ただ、「炭水化物ならなんでも食べていい」というわけではなくて、健康的で自分に合った炭水化物を選ぶことが大切。

私にはお米が合っているので、パンよりお米、さらに白米より健康効果が高いと感じる玄米や雑穀入りご飯をチョイスすることが多いですね。とくに精製度が高い白い小麦粉、白い砂糖には中毒性があるので、なにも考えずに食べたいだけ食べていると際限がなくなります。

――炭水化物に中毒性! ご飯ではなく、麺類やケーキなどのお菓子が大好きという場合にはどうすればいいですか?

おにゃ:そうなんですよ。日本人は麺類が好きですし、お菓子は「もっと食べたい」「毎日食べたい」となりがちです。だからといって、変に我慢する必要もないんですよ。ただし、食べすぎたり、それだけを食べ続けたりしないようにしたいですね。

●たん(炭水化物)タン(タンパク質)を適度にとる「たんタンダイエット」

――ここで「たんタンダイエット」について改めて教えてください。

おにゃ:「たんタンダイエット」は、炭水化物とタンパク質を適度にとるダイエットです。

1 肉や魚、卵、大豆製品などのタンパク質を1回100g、1日2種類以上とる
2 玄米、雑穀米、ライ麦パンなど「茶色い炭水化物」をとる
3 朝食は抜かない

やせる体をつくるためには、筋肉の量を増やして、体の基礎代謝(なにもしなくても、エネルギーを使う量)を上げる必要があるので、タンパク質をしっかり摂ります。ここは近年定着した「糖質オフダイエット」と同じ考え方ですね。

「茶色い炭水化物」は、もともと味や食感に変化があるので好んで食べていたのですが、ダイエットの勉強をしていく中で、この茶色い部分に食物繊維やミネラル、ビタミンが豊富で、精製度が高い白飯より体にいいことがわかり、メソッドに組み込みました。食物繊維が豊富なほうが血糖値の上昇がゆるやかなので、脂肪をため込みにくくなるというメリットもあります。

――理論より先に「好き」という気持ちから生まれた食べ方なんですね。

おにゃ:毎日のことですから「好き」「食べやすい」という気持ちが大切ですね。皆さんにも「これじゃなきゃだめ」という決め打ちや義務感で食品を選ぶのではなく、「これなら食物繊維がとれるかな?」といったことを想像しながら、自分の好きな食品を選んでほしいと思います。そして、「たんタンダイエット」の最大のポイントは「無理をしないこと」。「ずっと続けられるか」という点を重視してほしいです。

ーーずっとというのはいつまでですか?

おにゃ:一生です! もはやダイエットじゃないですね。私は本を出すだけでなく、自身のダイエットプログラムを提供してカウンセリングを行っていますが、受講生の方にはハードなジムのトレーニングと食事制限をして短期間に一気にやせた方も多いです。

ただ、こういう方は「10kgやせて12kg太った」ともれなくリバウンドしていて、「お菓子はダメ!」と自分に課して、ダイエットが終わった途端に食べてしまったとか、なにか特定の食品ばかりを食べた、または特定の食品は徹底的に口にしないようにしたという例が多いです。でも、そういう我慢って一生は続かない。反動が出やすいんです。それでプログラムが終わってまた食べるようになったら意味なしです。

ですから私のダイエットで提唱しているのは、(食を中心に)生活を整えましょう、意識を改革しましょうということ。体って素直なので、食べるもので体型はもちろん、食の好みも変わってきますから。提供しているプログラムは3か月がひとつの区切りですが、これは結果を出すための3か月ではなく、生活習慣と意識を変えるための期間です。実際にはこの期間にぐっとやせて結果が出る人が多いですね。