太田忍(下)を破った元谷友貴

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 「RIZIN.48」(29日、さいたまスーパーアリーナ)

 元谷友貴(35)=アメリカントップチーム=が、2022年7月に勝っている2016年リオ五輪レスリンググレコローマンスタイル59キロ級銀メダリスト、太田忍(30)=ザ・ブラックベルト・ジャパン=を返り討ちにした。太田ががぶってきたところを「練習してきた」という動きでバックに回り、得意の片手で極める裸絞めでタップさせた。

 リングで喜びを爆発させた元谷は「めちゃくちゃうれしい。年々この勝利が重いというか、うれしくて。家族置いてアメリカ行ってずっと、で名古屋行ってずっと格闘技してるんで、1勝が重いんで、喜びが出ちゃいました」と感慨を述べた。

 再戦した太田については「前よりもすごく強くなってるなとは思いました。打撃の一発、前よりアグレッシブに自信もって出してましたし、フィジカル強いですし、お互い成長してるなとは感じました。(警戒したのは)右フックとがぶりですね」と語り、「(元谷チョークは)だいたい片手入れば毎回極まるんで、練習でも。残り時間少なかったんで、全力を使って極めました」とフィニッシュを振り返った。

 マイクアピールでは、3連勝と勢いがあった太田を極めたことで、RIZINバンタム級王座挑戦をアピール。「大みそかとか、できたらいいなとは思ってます。(王座決定戦は)一瞬しか見てないですけど、(勝った)井上(直樹)選手は強いなと。ストレートで打ち抜いてたんで。(キム・)スーチョル選手があんな負け方をしたのは初めて見ました。今ベルトに絡めるか絡めないかなので、アメリカで少しでも成長してベルトに挑めたらなとは思っています」と話していた。

 太田は「情けない。今回の負けでまたタイトルが遠くなってしまったのが事実。続ける意味があまり感じられない。どうしたらいいか分からない」と落胆。「打撃で効かせてテイクダウンを取るところはとって、打撃で今回はフィニッシュしたかった。そこがいい部分もあったし、倒そう倒そうとして手数が少なくなってしまった」と、作戦と反省を口にした。

 試合前にはパリ五輪金メダリストの文田健一郎から「先輩頑張ってください」と連絡があったと明かし、「彼らとは比べものにならないくらい惨めな、比べるのが失礼なくらいの内容だったと思います」と、落ち込みは止まらなかった。