季節の変わり目の今、新しい洋服が欲しくなりますよね。でも服がどんどん増えるといつしか収納がパンパンに…。35平米の小さな賃貸マンションで、夫婦で暮らすミニマリストの村上はなさん(30歳)は、同居を機に家の広さに合わせて、100着以上の服を手放したそう。20代の頃は全国各地を巡り古着集めに没頭していたそうですが、今は収納スペースに合わせて服の量を見直し、厳選に厳選を重ねた30着ほどでオールシーズン過ごしているとのこと。そんな村上さんに、服を手放してよかった心の変化について教えてもらいました。

1:衣替えが不要になった

以前までは、季節の変わり目になると必ず衣替えをしていました。しかし、冬服に衣替えを終えた後、暑い日が戻ってきてしまい、半袖をもう一度下ろすハメに…なんてことが多々ありました。そのまま半袖はしまい忘れたまま、真冬を迎えてしまうこともしばしば。管理が行き届いていませんでした。

【写真】すっきり収納

しかし、本当に必要な枚数に厳選することで、半袖も長袖も一緒に収納できるようになりました。すべての服が収納ケースとハンガーラックに収まり、衣替えが不要に。オールシーズンの服が一か所にまとまっていると、その日の気温でサッと服が選べて、心軽やかに一日のスタートがきれるようになりました。

2:シーズン中にすべての服が取り出せる

服を多く持っていたときは、お気に入りの服は汚したくないからと“ここいちばん”のときに着ていました。しかし、ここいちばんの日は年に数回しかありませんでした。大切にしすぎて、好みがが変わって着られなくなり、三軍の服がどんどん増えていきました。今の自分には似合わないと分かっていながらも、感情移入して手放すのが惜しかったのだと思います。

30着ほどに厳選してからは、場面を選ばずブランドものもファストファッションも普段から着ています。服の枚数を減らしたことで、シーズン中にすべての服を着まわせるようになりました。

心にも小さな変化が生まれ、毎日がここいちばんの日だと思えるようになり、服選びが楽しくなりました。

3:洗濯がラクになる

100着以上も服をもっていたときは、洗濯がおっくうでした。普通コースで洗う服、おしゃれ着コースで洗う服、クリーニングに出す服など、洗濯方法がバラバラだったからです。次第に洗濯方法が複雑な服は、着る頻度が減っていきました。

そこで、家の洗濯機で洗える服だけに厳選しました。とくにニット類は毛玉ができやすく、管理が面倒なので、手放しました。さらに、おしゃれ着用の専用洗剤も手放し、すべての服を洗濯用洗剤で洗っています。冬用のコートもクリーニングに出さず、家の洗濯機で洗ってしまいます。

服はデザインで選びがちですが、家で洗濯する方が、ズボラな私には管理がラクで合っていました。おっくうだった洗濯方法をひとつに絞ることで、心に余裕が生まれました。

4:ハンガーラックの風とおしがよい

小さなわが家にはクローゼットがなく、100cmほどの小さなハンガーラックがひとつあるだけです。ここに私と夫の服をかけています。基本的に服はたたんで収納ケースにしまっていますが、着る頻度が多い服やシワになりやすい服などは、ラックにつるしています。

もともと夫も服が少なく、ハンガーラックにかかっている服はふたり分で20着ほどです。

服と服の間隔が適度にあいているから、風とおしがよく、カビや匂いの心配がいりません。ラックから服を取り出すときにほかの服に引っかからず、サッと取り出せます。また、服同士の摩擦が減るからシワになりにくく、年じゅう美しい形を維持することができています。

なにより厳選された服だけが並ぶハンガーラックを目にするだけで、準備で忙しい朝でも気分が上がります。

5:一軍の服を毎日着られるので大好きな自分でいられる

「いつか着るかも」「やせたら着よう」という服がなくなり、もっているすべての服が一軍になりました。

毎日、一軍の服を着ていると不思議と自己肯定感が上がります。いつ人に会っても恥ずかしくなく、自信満々でいられるようになりました。

もちろん、30着ともなると服の回転率が高くなり、傷みやほつれも出てきやすくなります。でも、定番のシルエットの服ならいろんなお店で見つけやすく、買い替えしやすいです。縫い直せるほどのほつれなら、なるべく自分で縫い直します。

お気に入りだけの服に厳選されると、一着一着を大切にすることができます。服を手放しただけで、一軍の服を着こなす理想の自分になることができ、幸せを感じています。