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 ◇パ・リーグ 西武1―5ロッテ(2024年9月28日 ベルーナD)

 今季限りでの引退を発表している西武・増田達至投手(36)が、ロッテ戦で引退試合に臨み、試合後のセレモニーでファンにメッセージを送った。

 「私、増田達至は今シーズンを最後にユニホームを脱ぎます。12年前、埼玉西武ライオンズにに指名していただき、僕のプロ野球人生が始まりました。右も左も分からないプロの世界で、どこまで自分が戦っていけるのか不安な中、NTT西日本の寮を出たことを今でも覚えています。

 憧れの先輩方が近くにいるこの世界で、置いて追いていかれないように、遅れを取らないように、がむしゃらに食らいついてやってきました。そして2018年、19年には選手会長をやらせていただ、きリーグ連覇を経験させていただきました。ビールかけの音頭を取らせていただいたことはうれしかったですが、優勝を決める最後の1球を僕に託してくださったことが、僕の人生で一生忘れることのできない登板でした。

 プロ野球の人生のほとんどが中継ぎ、抑えでの登板という結果を残さないといけない場面で、マウンドに上がることへの重圧で心が折れそうになることもありました。そんなとき、僕のことを信じ、マウンドに行かせてくださった監督をはじめ、気持ちに寄り添って指導してくださったコーチの方々、勝利を信じ、560試合ともに戦ったチームの仲間達のおかげで今日、この日まで自分らしく野球を続けることができたと思っています。

 何より、どんなときも側にいてくれて、一番近くで支えてくれた家族に感謝の思いを伝えさせてください。亡き親父、36歳まで野球を続けることができました。今日くらいは褒めてください。オカン、丈夫に生んでくれたおかげで、大きいケガなくここまで野球を続けることができました。ありがとうございました。長生きしてください。弟、自分のことよりもいつも家族を優先してくれてありがとう。

 妻、あなたがいなければここまで幸せなプロ野球人生を送ることができませんでした。一番近くでどんな時も笑顔で支えてくれてありがとう。これからは恩返しさせてください。これからもよろしくお願いします。子供達、あなたたちのおかげで勇気をもらい、ここまでマウンドに上がることができました。ありがとう今まで何一つしてあげられなかったけど、自これからはいろんなことをしような。次はパパがあなたたちを応援する番です。自分を大切に、自分の周りを大切にして頑張ってください。

 最後になりますが、応援してださったファンの皆様、2020年、FAで残留したときには僕を必要と思っていただけている人が一人でもいる限り、精一杯マウンドの上で腕を振って、頑張らなくてはならない、そんな思いでした。僕自身頑張ってきましたが、思うように投げることができず、ファンの皆様の期待に応えることができませんでした。そんな時でも温かく応援してくれるファンの皆様に僕が勇気をもらい続けてきました。スタンドから聞こえてくる声援、アウトを取るたびに響きわたる拍手。勝利をつかんだ時に湧き上がるファンの皆様の歓声。一緒に積み重ねてきた194回の喜びは僕の一生の財産です。本当に力になりました。ありがとうございました。

 そして、たった一つ成し遂げられなかった日本一の夢。僕は夢を諦めていません。その夢の続きは戦う仲間達、ライオンズの未来を担う後輩達に託したいと思います。そして、その夢が果たされる時に皆様と一緒に、ここにいたいと夢見ています。本当に12年間ありがとうございました」

 球団記録の通算194セーブを挙げている右腕。4年契約最終年の今季は抑えを勝ち取れず、6月中旬から2軍暮らしで8月には引退を決意していた。