名古屋国税局が入る名古屋国税総合庁舎=名古屋市中区

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 医薬品などの免税販売をめぐり、大手ドラッグストア「スギ薬局」が名古屋国税局の税務調査を受け、2023年2月期までの5年間に重加算税を含め計約8億5千万円を追徴課税されていたことが28日、分かった。

 運営するスギホールディングス(HD、愛知県大府市)が発表した。修正申告し、全額納付したという。

 スギHDによると、スギ薬局は、転売目的や入国6カ月を超えるなどの免税要件を満たさない外国人客に医薬品や化粧品などを販売。また、7年間の保管が義務づけられていた免税品の「購入者誓約書」を一部紛失するなど、適切な管理をしていなかったと指摘を受けた。

 こうした不適切な販売などは5年間で東京都、大阪府を中心に延べ207店舗で確認された。販売額は計約75億円に上り、国税局から消費税約7億円の申告漏れを指摘されたという。

 指摘を受け、外国人客に対し、パスポートで在留期間や同一商品を大量に購入した場合は目的を確認するといったマニュアルを作成した。購入者誓約書は21年10月に免税販売手続きが完全電子化され、保管の不備は解消されているという。

 スギHDは「指摘を真摯(しんし)に受け止め、納税義務の順守をグループ全体で徹底し、適正な税務処理に努める」とコメントした。(渡辺杏果)