Googleの「ストリートビュー」と「Google Earth」に過去最大級のアップデートが施される予定です。ボスニア・ヘルツェゴビナやナミビア、リヒテンシュタインなどの画像が新たに公開され、日本やセルビア、アルゼンチンなどで画像が追加されるなど複数の変更があります。

3 imagery updates to Google Earth and Maps

https://blog.google/products/earth/3-imagery-updates-to-google-earth-and-maps/

Google is updating Street View images across dozens of countries - The Verge

https://www.theverge.com/2024/9/24/24252979/google-maps-updated-street-view-images

Googleの発表によると、ストリートビューの対象国が約80カ国に拡大され、複数の国で画像が更新されるとのこと。これまでストリートビューがなかったボスニア・ヘルツェゴビナ、ナミビア、リヒテンシュタイン、パラグアイなど、新しい国も加わりました。

Googleは「ボスニア・ヘルツェゴビナの絵のように美しい田園風景や中世の村々、ナミビアの首都を囲む砂の山々、リヒテンシュタインのアルプスや城、パラグアイの美しい川などを探索できるようになります。外国の都市の通りをバーチャルに歩き回り、店や建物を間近に見ることもできます」と紹介しました。

ナミビアでは、2023年にストリートビューの撮影車が走り始めたことがわかっていました。





上記に加え、オーストラリア、アルゼンチン、ブラジル、コスタリカ、デンマーク、フランス、アイスランド、日本、メキシコ、ニュージーランド、フィリピン、ルワンダ、セルビア、スペイン、南アフリカ、スイス、ウルグアイなど、世界中のストリートビューに画像が追加される予定です。

ストリートビューの画像を参考に位置を推測するゲーム「GeoGuessr」のコミュニティでは、「セルビアは間違いなく面白いだろう」「ナミビアは本当に嬉しい。世界で最も美しい国の一つ。素晴らしいロケーションになるはず」など歓迎する声が見られました。GeoGuessrでは電柱の形やカメラの汚れ具合を参考に国を当てるなどのトリッキーな戦略がありますが、画像が追加されることで新たな戦略が生まれる可能性もあります。

ストリートビューの対象国が広がったことに加え、Google EarthとGoogleマップの衛星画像がより鮮明になるアップデートも行われます。何百万枚もの画像で学習させた「Cloud Score+ AI」を使ったGoogleの「雲除去技術」により、雲や雲の影、霞(かすみ)、霧などが認識・除去され、氷、雪、山の影のような現実世界の気象パターンを地図上に表示し続けるとのことで、これにより「もっと鮮明で正確な地球」を見ることができるようになるそうです。

また、Google Earthのウェブアプリやモバイルアプリで過去の画像を閲覧できるようにもなります。これまではデスクトップアプリの「Google Earthプロ」でのみ利用可能だった機能です。

Googleは「地球が時間とともにどのように変化していくかを見事に視覚化します」と紹介。1930年代のロンドンやベルリンの様子や、数年にわたる干ばつで貯水量が大幅に減少したアメリカのオロビル湖が雨水で満たされる様子などをタイムラプスで閲覧できるようになります。



上記に加えて、研究者や団体がカスタムマップ作成などのプロジェクトでGoogle Earthをより簡単に利用できるようにする取り組みも行われています。まもなくGoogle Earthの新デザインのホーム画面からプロジェクトを表示できるようになるとのことで、関連するアップデートについては、開発者向けブログで詳しく紹介されています。