日本でもファン多し!「ドリトス」について調べてみた

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 アメリカ生まれのトルティーヤチップス『ドリトス』。日本でもかなり親しまれている印象のお菓子です。パリッとした食感や香ばしいコーンの香りに「ついつい何枚も食べてしまう」という人も多いはず。

 そんなドリトスですが、実は日本とアメリカでは異なるポイントが色々とあるのだとか。日本でドリトスの製造・販売をおこなう「ジャパンフリトレー株式会社」(本社所在地:茨城県古河市)のドリトス・ブランド担当者に話を聞きました。

アメリカ生まれのトルティーヤチップス『ドリトス』(提供=ジャパンフリトレー)

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 1966年にアメリカで生まれたドリトス。60年近い歴史を持つスナック菓子ですが、その起源に関して意外なエピソードが存在しているそう。

「諸説ありますが、とあるテーマパークの売れ残った料理が起源である……という説があります。テーマパーク内のレストランでトルティーヤ(メキシコの薄焼きパン)を提供しており、売れ残りを揚げてチップスにしたところ好評だったため、スナック菓子として市販化したというエピソードです」(担当者)

 これが本当なら、「もったいない精神」から生まれた料理が今や世界中で愛されるお菓子にまで発展したということになりますね。またそんなエピソードが生まれるだけあり、アメリカでは日本以上に多彩な楽しみ方をされているのだとか。

「日本と同じくスナック菓子としての食べ方はもちろんのこと、スポーツ試合の観戦やテレビを見ながら、お酒のおともやパーティーシーンなどさまざまな場面で食べられています。アメリカでは、食文化として根付いていることがうかがえます」(担当者)

 現在は55カ国以上で販売されているドリトス。世界的な展開をするにあたりどの国でも必ず守るべき「ブランドルール」が定められています。

「たとえば、『コーンを丸ごと使って生地を作る』などがルールに当てはまります。コーンを砕いた粉状のものから生地を作るのは、ドリトスブランドとして認められていません。またパッケージデザインについても厳格な規定と承認プロセスがあります。デザイン要素一つ一つの大きさや位置、微細な部分の表現なども厳格なルールに基づいています」(担当者)

 一方でルールを守った範囲でのアレンジはOKなので、本場・アメリカとはパッケージや味が異なる国も。日本もその一つで、世界的に見ても独特な進化を遂げているそうです。

 日本で販売されているドリトスは、ジャパンフリトレーがアメリカのフリトレーの技術とパッケージライセンスのもとに古河工場で製造しているもの。海外のドリトスとは「別物」なのです。

「日本で発売を開始した1987年当初、定着を図るため日本人向けに生地や味の改良をし、パッケージも変えていきました。例えばパッケージの色だと、『メキシカン・タコス味』はスパイシーなイメージに合う赤色、『ナチョ・チーズ味』はチーズの味が連想しやすい黄色……というようにです」(担当者)

日本のパッケージ(提供=ジャパンフリトレー)

 日本でドリトスといえば赤色パッケージの印象が強いですが、パッケージカラーとフレーバーの組み合わせは国によって異なるのだとか。

「日本の場合は、赤い袋のメキシカン・タコス味が一番人気。次に黄色のナチョ・チーズ味、水色のマイルドソルト味と続きます。しかし、世界的にはナチョ・チーズ味が一番人気で、入っているパッケージは赤色が主流。海外の方が日本に来て赤い袋の『ドリトス』を買ったら、味が違ってびっくりするかもしれません」(担当者)

アメリカのパッケージ(提供=ジャパンフリトレー)

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 本場・アメリカではアレンジ料理も幅広く展開されるなど、食文化として地位を確立しているドリトスをはじめとしたトルティーヤチップス。日本でも「トルティーヤ食文化」の定着を目指すべく、同社では『ドリトス DIP サルサ』というディップソースをリリースしレシピなども公開中とのことです。

(取材・文=つちだ四郎)