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北陸新幹線の県内全線開業から半年。小松駅とその周辺では、ある意外な影響が出てきている一方、空の便には変化も。小松の現状を取材しました。

ことし3月16日。北陸新幹線が敦賀まで延伸し、石川県内では、小松駅など2つの駅が新たに開業しました。

あれから半年…すっかりおなじみとなった加賀方面を走る新幹線。

東京から:
「2泊3日でゴルフ。いいね。最高です。2時間ちょっとかな」
埼玉から:
「埼玉に住んでいるので大宮から乗れるので圧倒的に新幹線の方が楽だと思いました」

小松市によると、開業後に小松駅周辺のエリアを訪れた人は全体で15パーセント増加。特に首都圏からは、およそ2.5倍になるなど、開業効果がみられているとしています。

小松駅と直結する市観光交流センター「Komatsu 九」でも。
Komatsu 九・紙谷 美郁さん:
「施設の利用者さんは増加しています。駅周辺で民間のイベントも増加してまして、その効果で小松駅もさらに賑わっているかなという印象です」

お土産物のショップでは、開業前後の5か月間の比較で売り上げが1.5倍に。コワーキングスペースも、ビジネス関係に加え地元の学生の利用も多く、好調だそうです。

開業の効果はこちらでも。
小松駅から徒歩5分。旧北国街道沿いに、歴史ある町家や商店が並ぶ龍助町です。

北國とおり町にぎわい協議会・辻奈穂子 会長:
「ここの民家は来年ゲストハウスになる予定です。この向かいのこの町家ですけど、こちらもゲストハウスに今年なる予定です」

さらに、リニューアルを進める店や新たにオープンしたワークショップのお店も。ただ、新幹線開業後の人通りの変化について聞いてみると。

ショップのオーナー・滝本勢十さん:
「まだそこまで正直ちょっとまだ感じないかなって感じですね」

そこで、若手商店主らでつくる北國とおり町にぎわい協議会では、小松駅を訪れた人を呼び込もうと新たに「ビジョンマップ」づくりに着手。さらに、国内やインバウンド向けのツアーの商品化も進めています。

北國とおり町にぎわい協議会・辻奈穂子 会長:
「小松は本当にじわりじわりだと思うんです。一気にドカンといかなくても、細く長く、なんかこう面白いなっていうような街になればいいなと思いますので」

ムーディーな演奏に包まれた夜の小松駅。開業の影響は、夜の街中にまでも広がってきています。

その1つが駅から徒歩1分にある小松中央通り商店街。全長600メートルのアーケードがある昔ながらの商店街で、いま飲食店の新規出店が相次いでいるのです。

こちらの焼き肉店は、小松駅開業の1か月ほど前に周辺のエリアから移転オープンしました。

焼肉ホルモン誠小松本店・白江誠一郎社長:
「ビジネスのお客様がもう多い、 半分半分ぐらいになってきまし たね。前は地元7割ぐらいでしたけど、だいぶ変わってきましたね」

そして、同じ建物の2階では。今月6日にスナックがオープン。この場所を選んだ理由の1つは新幹線の開業だと話します。

Liberta・Renoさん:
「この夜の街がもうちょっと賑やかになってほしいなというのもあって、この場所を即決したっ て感じですね」

新規の出店が増える理由として駅からホテルまでの導線に商店街が立地していることや、アーケードがあることなどがあげられています。

小松中央通り商店街振興組合・掛田英治 理事長:
「出店場所ないですか?という問い合わせも増えてきているので、 こういうふうに新しくリノベー ションされて貸し出し物件とし て物件が出てくるというのは非常にうれしいことですね」

現在、商店街のお店は35店舗以上。今後もさらに飲食店を増やし、「夜の街」として活性化させていきたいとしています。

小松中央通り商店街振興組合・掛田英治 理事長:
「(新幹線開業で)実質的な何か動いたってことはまだまだ掴みきれてないですけどやっぱり注目が集まったっていうのは間違いないと思います」

一方、商店街では、日中はあまり変化が見られないという声も。そこで、関係者が期待を寄せるのがほくりくアイドル部と連携して取り組むイベント、小松商店会連盟に加盟する7団体が参加し、各商店街に「部室」を設けてメンバーの等身大パネルや衣装などを土日限定で4週間にわたり公開する予定です。

小松商店会連盟・濱本哲成 会長:
「ちょっとアキバっぽいというか。。当たるか当たらないかわかりませんけどとりあえずやってみようと」

小松駅の開業により新たなにぎわいの動きが出ている一方、駅の利用者からはこうした声も。

ビジネスで小松へ:
「今も飛行機よりかこちらのアクセスが良いので」
(Qそれまではやっぱり飛行機?)
「そうですね。小松空港から。北陸新幹線ができてからは(飛行機は)あまり使わないですね。埼玉なんで羽田出るんだったら大宮から来た方が楽だから」

実際、小松空港の羽田便は、苦戦が続いています。今年度の利用者数は7月分までで去年に比べて1割ほど減っているのです。

北陸エアターミナルビル・南井浩昌 社長:
「新幹線開業前は早朝と夜間の便が非常にお客様の客数が多かったんですけれども、新幹線開業後は逆転をして、早朝並びに夜間の便のお客様が減少しているという数字が現れておりますので、これはやはり新幹線による影響かと思われます」

2015年3月の北陸新幹線 金沢開業の際には、減少が3割を超え、羽田便も減便となりましたが、ことしの冬ダイヤでは、今の便数は維持されました。しかし、予断は許さないとして、利用者を増やすべく、さまざまな手立ても講じています。

その1つが、6月から開設したビジネスラウンジ。そのほか、ベビーケアルームを新設するなどファミリー向けの魅力づくりにも努めています。

さらにもう1つ。空港と駅とをつなぐ自動運転バスです。1日に11便運航し、8月末の時点でおよそ9000人が利用。

小松市地域振興課・津田直宏 課長:
「皆様の利用状況にあったような形でダイヤ改正を進めさせていただいて、利便性の維持と向上を図っていきたい」

駅と空港が近くなることで双方の利用拡大につなげたいとしています。

北陸エアターミナルビル・南井浩昌 社長:
「お客様は移動の選択ということも、私は旅の楽しみの一つ、魅力の一つではないかと思います。需要の創出が必要な中で(レー ル&フライト)、そうした取り組み、考え方というのは、私はこれは大事な考え方だと思っております」

北陸新幹線の県内全線開業から半年。小松駅周辺のにぎわいが続いている中、それをいかに継続し、波及させていくのか。空の便との相乗効果をどう生み出していくのか。それぞれが試行錯誤を続けています。