計量後に体重増の過去も…ゲッソリ痩せたドヘニーに井上尚弥は不敵な笑み「自分相手に10キロ以上も戻したらボクシングできない」

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計量をばっちりとクリアした井上。(C)Lemino/SECOND CAREER

 9月3日、ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体タイトルマッチ12回戦(9月3日/東京・有明アリーナ)に向けた前日計量が行われ、4団体統一王者・井上尚弥(大橋)がリミットとなる55.3キロ、元IBF同級王者の挑戦者テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)が55.1キロで、それぞれ一発クリア。両陣営にアクシデントもなく試合実施の流れとなった。

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 ただ、気になったことがあった。それはチャレンジャーであるドヘニーの身体つきだ。8月31日の記者会見時よりもゲッソリとやせ細っていたのである。その容姿は「仕上がりはバッチリ」と順調な調整ぶりをうかがわせた井上とは対照的で、相当な水抜き減量の実施を想起させた。

 31日の会見時で「歴史をつくるためにきた」と語っていた37歳のベテランは、計量後に12キロも体重を戻した過去がある。ゆえに今回も「怖さは(5月6日に対戦した元世界2階級制覇王者)ネリ以上」(大橋秀行会長)というパンチ力を活かすべく、大幅なリカバリーを行う可能性は小さくない。

 ただ、そんなドヘニーとフェイスオフで20秒間も睨み合った“モンスター”は、「だいぶ水抜いたなって感じ」と不敵に笑った。

「だからこそのリカバリー(10キロくらい戻るような)があると思う。ただ自分相手にそんな10キロ以上戻したらボクシングできないぞというところを見せてやりたいなと思っている。この階級性のボクシングというものは、体重があればいいだけではないと自分は思っている。そういうところも含めて明日はボクシングを見せていきたいな」

 自らもリミットで計量をクリアし、バキバキの肉体美を披露した井上。「自分相手に10キロ以上戻したらボクシングできないぞ」という言葉には、“絶対王者”として世界中にその名を知られる傑物だからこその自信が滲み出た。

 果たして、ドヘニーはどこまでリカバリーをするのか。当時体重も大一番のひとつの焦点となりそうだ。

[取材・文:羽澄凜太郎]