会見に出席した那須川天心【写真:高橋学】

写真拡大 (全2枚)

10月13、14日に世界戦7試合

 ボクシングの帝拳プロモーションは22日、都内で会見し、10月13、14日に東京・有明アリーナで異例の2日連続世界戦興行を開催すると発表した。日本初の1イベント7試合の世界戦が入り、那須川天心(帝拳)は14日に初の地域タイトル戦に臨む。この日は各選手が会見に出席した。興行はAmazon プライム・ビデオで生配信される。

 ボクシング転向5戦目の那須川は初の地域タイトルとなるWBOアジアパシフィック(AP)バンタム級王座決定戦10回戦で、同級2位ジェルウィン・アシロ(フィリピン)と対戦する。昨年4月にボクシングデビューし、世界ランカー対決となった今年7月の4戦目はノンタイトル10回戦で3回TKO勝ち。現在の世界ランクはバンタム級でWBA2位、WBC3位、WBO10位につけ、勝てば世界挑戦に近づく一戦だ。

「勝てば(世界が近づく)感覚はある。まずは切符を獲らないといけない。(前戦で)世界王者の4人ももう無視できない試合を見せたと思う。でも、世界王者が目標じゃない。強くなること。そこはいつも通り。ボクシングに転向して1年半。しっかり調整してきたし、体型を見ればわかると思う。下が細くて逆三角形。ボクシングでもモデルでもいける(笑)」

 今回は転向後最軽量のバンタム級。同級では10月13日にWBA世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)がWBA3位の元日本王者・堤聖也(角海老)と3度目の防衛戦を行い、14日にWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)の2度目の防衛戦に臨む。IBFを西田凌佑(六島)、WBOを武居由樹(大橋)が就き、全4つの王座を日本人が独占している。今後は那須川も台風の目となり得る。

懐疑論一蹴で「SNSでもあまり言われなくなっちゃった」

 自身の試合以外の7つが世界戦。興行ポスターやこの日の写真撮影は端に立つことになったが、「世界王者をバーっと並べたからといって目立つかというとそうでもない。僕だけ違うことをプラスに捉える」と前向きだ。

 これまでネット上を中心に実力に懐疑的な声があったが、前戦の圧勝で払拭。かねて外野の声を全く気にしなかった神童。今は「SNSでもあまり言われなくなっちゃった。寂しいなと。もうちょっと言ってほしい」と冗談を飛ばした。「天心って強い、倒せるというベースになったと思う。だから気を引き締めるし、まぐれと思われないようにしたい」と力を込めた。

 相手のアシロは「Gladiator(戦士)」の愛称を持つ9戦全勝(4KO)の強豪。7月にWBOオリエンタル王座を獲得した。那須川は「カウンターを狙ってくるタイプ」と警戒した。ド派手に目立つことは忘れない。

「まずは世界戦を並べてお客さんがどう反応するか。ショーじゃなくて祭りにしないといけない。一人ひとりが盛り上げるという自負が必要だし、それは自分が一番持っている。ボクシングの魅力はめちゃくちゃありますよ。伝統があるし、敷居が高い。京都みたいな感じ。だから好き。それに則ってやるのが大事」

 興行名はこれまでの「Prime Video presents Live Boxing」から「Prime Video Boxing」に改称され、第10弾として行われる。日本はもちろん世界でも画期的な興行となる。

【10月13日の対戦カード】

▽WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者・井上拓真(大橋)
VS
同級3位・堤聖也(角海老宝石)

▽WBC世界フライ級王座決定戦12回戦
同級1位・寺地拳四朗(BMB)
VS
同級2位クリストファー・ロサレス(ニカラグア)

▽WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)
VS
同級15位タナンチャイ・チャルンパック(タイ)

▽WBO世界ライトフライ級王座決定戦12回戦
同級1位・岩田翔吉(帝拳)
VS
同級2位ハイロ・ノリエガ(スペイン)

【10月14日の対戦カード】

▽WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者・中谷潤人(M.T)
VS
同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)

▽WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
王者・田中恒成(畑中)
VS
同級5位プメレレ・カフ(南アフリカ)

▽WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者アンソニー・オラスクアガ(米国)
VS
同級1位ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)

▽WBO・APバンタム級王座決定戦10回戦
同級1位・那須川天心(帝拳)
VS
同級2位ジェルウィン・アシロ(フィリピン)

(THE ANSWER編集部)