記録では「退院済み」の入院患者を家族が1年間捜索した末に遺体安置所で発見
アメリカ・カリフォルニア州の病院に入院していたジェシー・ピーターソン氏が「退院した」と記録されていたにもかかわらず実際には病院で死亡していた事が判明しました。
US hospital told family their daughter had checked out when in fact she’d died | California | The Guardian
https://www.theguardian.com/us-news/article/2024/aug/21/sacramento-hospital-patient-death-checked-out
ピーターソン氏は1型糖尿病を患っており、発作のため2023年4月6日にマーシー・サンファン医療センターに入院しました。入院から2日後には母親に「退院するので車で送ってほしい」と電話をしたものの、その後行方が分からなくなっていました。
母親が病院に問い合わせると、医療記録には「2023年4月8日に退院」と記されていたほか、「医師の勧めに反して病院を去った」と告げられたため家族は捜索を開始。数カ月にわたりチラシを貼ったりホームレスに聞き込みをしたり、警察や検死官事務所に連絡をとったりしたとのこと。
捜索開始から1年以上経過した2024年4月12日、探偵事務所からピーターソン氏の遺体がマーシー・サンファン医療センターにて発見された事が報告されました。死亡証明書の日付は2024年4月になっていたものの遺体の腐敗が進んでおり、指紋を採取したり死体を検分したりすることができず、ピーターソン氏の死亡に医療過誤があったかどうかを調べることは不可能でした。
遺族は「死亡証明書を適時に発行しなかったこと」「近親者に通知しなかったこと」「死体の検分ができなかったこと」「遺体の取り扱いを誤ったこと」などを理由に病院を訴え、「極めて悪質なため懲罰的損害賠償が認められるべき」として500万ドル(約7億2800万円)以上の損害賠償を求めています。
マーシー・サンファン医療センターを運営するディグニティ・ヘルスは「遺族に心からお悔やみ申し上げます。係争中の訴訟についてはコメントできません」と述べています。