『ガラスの仮面』続刊を待ちわびて十数年…悲痛な叫びが寄せられる「どうか早く結末を」
美内すずえ先生による演劇漫画の金字塔、『ガラスの仮面』全話(コミックス全49巻相当分)がLINE漫画にて8月18日まで無料公開されている。これをきっかけに、最新刊の発行、そして「完結」を望む多くの声がX(Twitter)で挙がっている。
『ガラスの仮面』は1975年に連載開始。休載をたびたび挟みながらも40年以上続いている。2012年に49巻が発行されてから2024年で11年目となるが、未だ続きとなる50巻以降が発行されることなく現在に至っている。
本日発売を予定しておりました花とゆめコミックス『ガラスの仮面』50巻ですが、発売延期となっております。誠に申し訳ございませんが、今しばらくお待ちください。 発売日が決まりましたら、「別冊花とゆめ」誌上、及び弊社ウェブサイト等で告知いたします。
— 白泉社 (@Hakusensha) 2013年5月27日
長い間、続刊と完結を待っているファンは多く、X上では今回の「全話無料」をきっかけに、待ち望んでいる間に家族や友人が他界してしまったなど、悲痛なエピソードが次々と投稿されている。その一部を紹介したい。
『ガラスの仮面』がLINEマンガ433話無料でトレンド入りに→「待ち続けて40代」完結を待ち侘びる読者の叫びが寄せられてしまう
50巻を待って数十年…老いていく読者も
20年前に他界した母親から「新刊が出たら完結するまでの分を墓に備えてくれ」と言いつかったというXユーザー。毎年お盆に精霊棚に手を合わせる際、新刊をお供えしていないのはサボってるのではなく新刊が出ていないだけだと報告しているという。
高校生から読み始めたという50代のユーザーは、友人と読みながら「コレいつ完結するん?」「私ら死ぬまでに完結しなかったりして」と冗談で言い合っていたそうだが、それが「現実になりつつある」とポスト。
待ち続けているうちに、自分自身の年齢について「はじめは(主人公の)マヤ(10代〜20代前半)の年齢だったのに、今は月影先生の年齢(70代近く)に近づいてる…」と話している人も。
長い間読者が待っているということに怒りをあらわにしている人は少なくない。「作者や編集者にはどんな事情があっても作品を完結させる義務がある」「箇条書きで良いから、ラストだけ教えてくれればいい。紅天女はどっちが取るのかだけでも」と半ばあきらめの境地にいるという声も見受けられる。
Amazonの『ガラスの仮面』の49巻に関するレビューにもこのような続刊を待つ読者の叫びが多数書かれており、それらのレビューを読んだXユーザーは「俺もこうなるのかと思って読むのが怖い」と投稿していた。
美内先生のご年齢も踏まえ早く完結してほしいと願う一方で、先生側の事情も考慮する必要があるだろう。美内先生が2019年に公開された朝日新聞メディア「好書好日」のインタビュー記事では、ご家族の介護をしながらの生活を送っていることがうかがえる。それでも最終回の構想は持っており、続きを描くご意思はあるようだ。
読者としては物語の完結を、ただただ待ち続けるしかない。
その他、大きな画像や関連リンクはこちら