「豊作」の抽選から5年 2019年ドラフトの「勝ち組」はこの球団だ

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中嶋監督の紅林に対して愛情あふれる指導も知られている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

「ドラフトの成功や失敗は、その時には分からない。真の評価は5年後に分かる」

プロ野球のドラフトにおける格言です。会議当日、ファンはクジに当たった、外れたと一喜一憂しますが、いくらアマチュア球界のビッグネームであろうと戦力になるとは限らない。一方で無名の下位指名選手が、チームの屋台骨を支えるようになることも、この世界では往々にしてあります。

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 ならば、時を2019年に戻してみたら−?勝ち組はいったいどの球団でしょうか。検証してみましょう。

【広島】明治大・森下暢仁投手を一本釣り!

 まずは広島です。大船渡・佐々木朗希投手と星稜・奥川恭伸投手の高校生2人が人気を集める中で、カープはドラフト前に明治大のエース・森下の1位指名を公表。一本釣りに成功しました。

 森下は2021年には侍ジャパンの東京五輪代表にも選出されるなど、セ・リーグを代表する先発投手として躍動。コンスタントに勝ち星を積み重ね、カープの先発ローテに無くてはならない存在として活躍中です。

 6位で獲得した左腕・玉村昇悟投手も先発ローテで奮闘しているのも、キラリと光る部分でしょう。

【オリックス】1、2位の高卒選手が中心選手に!

 1位で東邦・石川昂弥選手を、外れ1位でJFE西日本・河野竜生投手をクジで外し、「外れ外れ1位」で獲得した興南の左腕・宮城大弥投手が2021年から3年連続2ケタ勝利をマーク。2023年のWBCでは侍ジャパンのトップチームに選ばれたことからも、完全に「勝ち組」と言えます。

 さらには2位で駿河総合の紅林弘太郎内野手を指名。2023年にはパ・リーグのベストナインに輝くなど、高卒の好素材が中心選手に育った点は、スカウトの眼力を評価せずにはいられません。

【ヤクルト】下位指名から遊撃レギュラーはお見事

 ドラフト直後は星稜・奥川の獲得に成功したことがフィーチャーされていましたが、5位で獲得した八千代松陰・長岡秀樹を根気よく育て、ショートのレギュラー選手にしたことは、評価されて然るべきでしょう。

 特にプロ3年目から139試合に出場するなど、1軍に定着。2年連続で規定打席に達し、現在はパンチ力も秘めた走攻守3拍子そろう遊撃手として、ファンから強い人気を誇っています。

 上位指名のスター選手もまぶしいですが、スカウトが下位で見いだした素材型の選手がファームで汗にまみれ、スターダムにのし上がることもまた、プロ野球の魅力です。

 現状、以上の3球団が「勝ち組」とも言えそうです。まだまだ発展途上の選手も多くいるだけに、真の評価は5年後どころか、10年後にならないと分からないような気もします。

 この年のドラフトの「主役」だった佐々木朗希投手のさらなる活躍にも、期待したいところです。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]