8日、06年9月中間期決算説明会で、携帯電話事業についての質問に言葉を濁す孫正義ソフトバンク社長(撮影:吉川忠行)

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ソフトバンクが8日に発表した2006年9月中間期連結決算で、純損益は144億3900万円の黒字(前年同期は41億8200万円の赤字)だった。8月にSBIホールディングスの全株式を売却したことによる売却益を692億600万円計上したことなどによる。

 売上高は前年同期比2.1倍の1兆1201億7300万円だった。ボーダフォンの日本法人(現ソフトバンクモバイル)を4月に買収した効果で、携帯電話事業で5844億5900万円を上乗せ。経常損益は、626億9000万円の黒字(同134億8300万円の赤字)で、創業以来最高だった。携帯電話事業で566億3500万円の営業利益を計上したほか、ブロードバンド事業でも収益が改善した結果、ボーダフォン買収による借入金の支払利息や手数料などを吸収できた。

 同日、東京都千代田区の帝国ホテル東京で会見した孫正義社長は、「営業利益や経常利益などで創業以来最大の利益水準を達成した」と満足そうに語った。携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)導入でシステムトラブルが続いたことについては「すべて自分に責任がある。大きな山場は越えたので、これからの長い戦いをしっかり戦い抜きたい」と、いつもと変わらない前向きな姿勢を見せた。

 また、10月の加入者数の増減について「MNPのトラブルなどによる顧客減少はあったものの、MNP以外の新規加入数が解約数を上回っており、10月は2万3800の純増だった。また、11月も最初の1週間で2万8000件純増している」と、“人気”を強調した。しかし、質疑応答で記者から、携帯電話の契約数は全体で伸びており、KDDIやドコモの純増数がソフトバンクモバイルのそれを上回っていると指摘されると、孫社長は「ボーダフォン時代は純減している時期もあった。料金体系などで理解され、それが回復につながっていると感じている。競争は始まったばかりであり、新しい端末や営業体制に期待して欲しい」と苦しい“答弁”に。【了】

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