年々その数は減少傾向にあるというが、東京の下町には魅力的な銭湯がまだまだたくさんある。サウナが楽しめる銭湯ももちろん多い。そんな下町銭湯サウナの中でもスカイツリーを見ながら楽しめる銭湯として知られるのが「押上温泉 大黒湯」(以下、大黒湯)。しかも、現在2024年8月12日(振休)までの期間限定でノーベルの「男梅」とのコラボした「男梅湯」を開催している。

【写真で見る】押上温泉 大黒湯

スカイツリーの近くにある「押上温泉 大黒湯」


■都内初のオールナイト営業をしている銭湯

男女入れ替えで露天風呂と高濃度炭酸泉を楽しめる


「押上温泉 大黒湯」は翌朝10時までのオールナイト営業をしている。昔ながらの昭和の風情を感じながら大きなお風呂やサウナが楽しめるとあって、地元の人はもちろん、わざわざ足を運ぶ人も多い人気の銭湯。最近では海外からの訪問者もいるのだとか。大黒湯は偶数日、奇数日で露天風呂と高濃度炭酸泉を男女入れ替えで楽しめる。どちらも魅力的なお風呂なので、できれば偶数日、奇数日ともに体験したい。どちらか1日となると個人的には露天風呂をおすすめしたい。都会で空を感じながらお風呂に入れるのはなかなか贅沢だ。

サウナ初心者にはうれしいスチームサウナ


こちらにはよもぎスチームサウナとドライサウナがあり、初心者ならスチームでじっくり蒸されてからドライサウナを体験するのがおすすめ。スチームサウナは温度こそ低めだが、たっぷりの湿度があり、じわじわと汗をかける。夏の湿気とはこうも違うのかと思うぐらい、スチームサウナの湿気はいい感じ。そしてこの中には塩が置かれていて自由に使うことができる。塩を体につけて汗をかくのをじっと待つ。ゴシゴシとこするのは肌を傷つけてしまうので気をつけよう。サウナのあとは水風呂だが、スチームだとそこまで熱くはないので、無理せずぬるめのシャワーでもいい。そして、休憩。こちらにはウッドデッキがあり。ここで休憩ができる。この時期は外気といっても暑いので水風呂に入ってからのほうが気持ちいい。いずれにしてもほかの施設ではなかなか味わえない雰囲気の中でまったりと休憩できる。

日替わり湯が楽しめるのも魅力


さらに大黒湯の大きな特徴が日替わり湯。男女とも香りや色なども異なる多種多様なお風呂が楽しめる。銭湯ではこうした替わり湯を行う施設も少なくないが、たいてい、週末だけ、月に数日だけ、もしくは端午の節句の菖蒲湯や冬至の柚子湯、10月10日、銭湯の日のラベンダー湯など年に数回実施するところが多い。大黒湯では毎日のように何かしらのお風呂に入れるのでいつ来ても楽しい。

■エントランスから「男梅」の凛々しさ漂う

現在は「男梅湯」とコラボを実施中


そんな大黒湯の替わり湯が現在、「男梅湯」になっている。ノーベル製菓の「男梅」とのコラボだが、お風呂に限らず銭湯全体が「男梅」の世界観に包まれている。もちろんサウナも!「男梅」といえば、梅干しの味わいが特徴だが、もうひとつ忘れてならないのが、ちょっといかつい表情と何とも凛々しい姿がインパクト大な“孤高なる男”「男梅蔵」のキャラクター。今回の「男梅湯」でも「男梅蔵」は健在。入口の暖簾にも登場して、来店者を迎えてくれていて、ここがすでにフォトスポットとなっている。「男梅蔵」、下町の雰囲気にも馴染んでいる気がする。

入浴した人全員が参加できる「男梅みくじ」


今回のコラボは「男梅」の“唯一無二の濃厚な梅干し本来の味わい”を全身で体感できるというもの。フロントには今回のコラボならではの装飾と、うれしいことに入浴した人全員が参加できる「男梅みくじ」がある。ただし、数に制限があるのでなくなり次第終了となるそうなので早めに行ってぜひ運試しをしてほしい。景品は人気の男梅商品詰合せセットや、今回のコラボを記念して作られたオリジナルグッズ。どうしても入手したい人のためにフロントや大黒湯のオンラインショップでも取り扱っているそうだ。

フォトスポットで記念撮影も忘れずに


また、ロビーエリアにもフォトスポットがあり、ここは記念写真を忘れずに撮っておきたい。入浴前か風呂上がりかは迷うところだが、空いているタイミングを狙うのがおすすめ。なかなか空かないかもしれないが。

いつもとは違う浴室とペンキ絵


さて、風呂に入る前からワクワクが止まらないが、本番はここから。脱衣所に入ってもコラボによる装飾があちこちに見られる。銭湯の浴室といえば富士山のペンキ絵が定番だが、今回は「男梅蔵」がドーン!目が合うとなんだか気恥ずかしい。そんな恥じらいも感じながら、まずはいつも通り、髪と体を洗う。

露天風呂が「男梅湯」に変身


汚れを落としたら、いざ「男梅湯」へ。いつもは内湯から攻めるところだが、やはりコラボのメインともいえる「大露天 男梅湯」へ。いや、思ったより赤い!ほんのり梅の香りがして気持ちいい。この風呂は「一心不乱に頂点を極める男梅蔵が浸かったことで真っ赤に染まった」そうだ。この梅の香りの湯に浸かって一緒に梅修行を体験できるとはありがたい。

スチームサウナもコラボ仕様になっている


「男梅湯」から上がったらしばし休憩。これだけ暑いとサウナ前の“下茹で”は必要ないぐらいなので、一旦休憩して水分補給をしてからサウナに向う。もちろんサウナも「男梅サウナ」になっている。スチームサウナはほんのり梅の香りの中、じっくり温まることができる。スチームサウナは50〜60度とサウナ初心者にも入りやすい温度。湿度が90〜100%なので全身をじわじわと温めてくれる。

水風呂にトライするにはいい季節


デッキで外気浴ができるのも特徴


スチームサウナで温まったら水風呂に入ってゆっくり休憩。夏はそもそも暑いので水風呂が苦手な人も試してみやすいと思う。いきなりは無理でもゆっくり太ももぐらいまで入ってしまえば、意外と大丈夫という人も。無理は禁物だがこの機会にぜひトライしてみてほしい。水風呂から出ると体の中からじんわり温まっているのを感じる。暑くて汗をかいても冷房などで意外と体が冷えているので芯から温まる感覚は気持ちいい。そのあとはスカイツリーを眺めることができるウッドデッキで休憩。最高のロケーションでボーッとできるなんて、とても贅沢だ。

「男梅」らしい真っ赤なサウナ


十分休憩して、水分補給をしたら遠赤外線サウナへ。こちらは真っ赤なライトで「男梅湯」を思わせる「男梅サウナ」になっている。こちらは95度設定で、すでに一度温まった体ではすぐに汗が流れてくる。サウナ室の滞在時間は自由。「もう無理!」と思ったらすぐに出よう。きちんと汗を流して水風呂へ。2度目の水風呂はまた気持ちよさが格別。休憩は再びウッドデッキで横になってのんびり。まさに至福の時間。

男女入れ替えだが、反対側にも遠赤外線サウナがある


夏に限ったことではないが、特にこの時期は日常生活でも汗をかいているので、サウナの前後の水分補給も特にしっかり意識して行おう。ちなみに男梅は塩味と梅の酸味が感じられ、サウナ上がりに食べたくなる味。今回、商品の販売は行っていないが、風呂上がりに水分補給の相棒として男梅を持参するのをおすすめしたい。

コラボをきっかけに銭湯に足を運んでみるのもいい


銭湯サウナは身近な存在でありながら、普段行かない人にとっては逆に入りにくいと感じることもあるかもしれない。こうしたコラボイベントの期間なら、いつもとは違った楽しみ方もでき、幅広い人が訪れるので、銭湯サウナにトライするいい機会になるはず。イベント期間中はもちろん、イベント終了後でもスカイツリーを眺めながらのサウナ体験をぜひ堪能しよう。

取材・文=岡部礼子

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