仲良く会見に臨む中谷潤人(左)とアンソニー・オラスクアガ(右)【写真:浜田洋平】

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中谷潤人とオラスクアガが会見

 ボクシングのWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)が21日、衝撃の157秒KO勝ちから一夜明け、都内の帝拳ジムで会見した。前夜は東京・両国国技館で同級1位ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)に初回2分37秒KO勝ちし、初防衛に成功。左ボディーストレート一撃で倒した一戦を夢見心地に振り返り、期待される他団体王者との統一戦などについて語った。

 中谷は傷のない顔で会見。試合後は眠れず「今までずっと起きている感じ」と目をこすり「試合はSNSの映像で見返した」と明かした。初回2分過ぎ、右ジャブから左ボディーストレートを突き刺した。挑戦者は膝をついて悶絶。立ち上がろうとしたが、苦悶の表情を浮かべ再び倒れた。わずか157秒でKO勝ち。期待を超える勝ち方だった。

「初回でうまく良いパンチが当たってKOできた。その中で反省があり、自分の思うところもある。完璧な夜だった。(オラスクアガと)2人で世界王者としてリングに上がって声援をもらえて思い出に残る」

 世界で最も権威のある米専門誌「ザ・リング」の階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」において、日本人では2位の井上尚弥に次ぐ10位につける。目標は日本人2人目の1位。実現のために他団体王者との統一戦、さらに尚弥とのビッグマッチも視野に入れる。

「少しずつ近づいてその中で統一戦が大事になる。次は未定ですが、いつでも戦えるようにしたい」

 バンタム級はWBAに井上拓真、IBFに西田凌佑、WBOに武居由樹が就き、全4つの王座を日本人が保持。同級は元日本王者・堤聖也、前夜に中谷と同じ興行でデビュー4連勝を飾った那須川天心なども世界王座を見据えている。中谷は那須川について「センスがある。KOに持って行くことも意識していたと思う。倒しに行くとリスクがあるけど、それを承知の上で結果を残してリスペクトする」と評した。

 この日はWBO世界フライ級新王者アンソニー・オラスクアガ(米国・帝拳)も同席。前夜は第2試合で加納陸に3回2分50秒KO勝ちし、2度目の世界挑戦で王座戴冠を果たした。中谷が中学卒業後に単身渡米した時からの親友。今回は6月のロサンゼルス合宿、7月の日本での最終調整もともにしていた。

 前夜は「いっぱい食べた」と笑顔。「自分の試合を後から見直してはいないけど、ミッションを遂行できたと思う。もちろん今はとても光栄で誇り高い気持ち。とても嬉しいし、このポジションにいられて感謝」と新しいベルトを抱えた。「完璧な夜。2人で勝てて最高。より良い王者になりたい」と先を見据えた。

 中谷は「(オラスクアガ戦は)自分の試合より緊張した。気持ちもわかるので。応援する気持ちで見ていた。緊張感はあるけど、一緒に達成した喜びがあるのでまた2人でやりたい」と笑った。

(THE ANSWER編集部)