中谷潤人に被弾するビンセント・アストロラビオ【写真:高橋学】

写真拡大

Amazon プライム・ビデオで生配信

 ボクシングのWBC世界バンタム級(53.5キロ以下)王者・中谷潤人(M.T)が20日、東京・両国国技館で初防衛戦に臨み、同級1位ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)に初回2分37秒KO勝ちした。他団体王者との統一戦が期待される中での一戦。階級最強の呼び声が高く、またも派手なKO勝ちを飾った。戦績は26歳の中谷が28勝(21KO)、27歳のアストロラビオが19勝(14KO)5敗。

 またも衝撃的なKOが生まれた。中谷は初回2分過ぎ、右ジャブから左ボディーストレートを突き刺した。挑戦者は膝をついて悶絶。立ち上がろうとしたが、苦悶の表情を浮かべ、再び倒れた。わずか157秒でKO勝ち。大熱狂を生んだ。世界戦の初回KOは初めてだ。

 アストロラビオはノノイ・ネリトレーナーと会見に出席。「ナカタニは王者だが、それほどパンチは強くなかった。ただ見えなかったからこうなっただけだ」と理由を述べ、敗戦を回顧した。

「立ち上がった時はまだまだ戦いたい気持ち。でも、ダメージが大きくてダメだった。(ボディーで)呼吸ができない。呼吸が途切れ途切れになった。過去にもボディーを効かされたことはあったが、今回はパンチが見えなかっただけ。ガードを固めて、そこに来ると思っていた。だから見えなかった」

 アストロラビオは、2022年2月に元世界2階級制覇王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)に10回判定勝ちした。昨年5月のWBO世界バンタム級王座決定戦ではジェイソン・マロニー(オーストラリア)に敗れたが、挑戦者決定戦で勝利。過去4敗だが、KO負けは2018年7月が最後でタフさも武器としていた。

 中谷は王座統一を目指しており、その可能性についてアストロラビオは「他にも優秀な王者がたくさんいるので何とも言えない」と説明。「自分は準備万端だった。さっきも言ったが、ナカタニはそれほどパンチが強くない。スピードが速かった。試合前からボディーを狙ってくるとは思っていなかった」と繰り返した。

 バンタム級はWBAに井上拓真、IBFに西田凌佑、WBOに武居由樹が就き、全4つの王座を日本人が保持。同級は元日本王者・堤聖也、この日デビュー4戦目を終えた那須川天心など激戦階級とされている。

(THE ANSWER編集部)