ジョナサン・ロドリゲス(右)は那須川天心に脱帽した【写真:高橋学】

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 ボクシングのWBA世界バンタム級7位・那須川天心(帝拳)が20日、東京・両国国技館でボクシング転向4戦目として120ポンド(約54.43キロ)契約10回戦に臨み、同級4位ジョナサン・ロドリゲス(米国)に3回1分49秒TKO勝ちした。世界ランカー同士の試合と10回戦は初めてだったが、デビュー4連勝を圧勝で飾った。戦績は25歳の那須川が4勝(2KO)、25歳のロドリゲスが17勝(7KO)3敗1分け。

 無数の天心コールを浴び、ゴングが鳴った。最初の見せ場は2回終了間際だ。那須川の狙いすました左ストレートが顎に炸裂。よろめかせ、ラッシュを浴びせた。ゴングに逃げられたが、3回も左ストレートを着弾。ボディー、アッパー、アッパー、右フック、最後にガードの上から左ストレートを突き刺した。ダウンを奪ってTKO勝ち。ほとんどパンチをもらわない圧勝劇だ。

 傷だらけの顔になったロドリゲスは父・インディオトレーナーと会見した。「良い試合だったけど、大変良い相手だった。ナスカワは思っていた以上に強いけど、リングで重さ、体格の違いを感じた。いつもと2ポンドの差だが、自分はもっと落とした方がいいかもしれない」と吐露。こう続けた。

「下馬評通り。ナスカワはスピードが持ち味でそれを感じた。それを掴めないまま終わった。(ストップのタイミングは)ちょっと不満はある。8カウントで立ってまだ続けられると。でも自分のトレーナーは父。彼の判断は正しいと思う」

 世界挑戦を経験した身として、ロドリゲスは「もちろん僕は油断しないけど、テンシンは良い選手。過去の相手よりパンチの強さはなかなかのもの。体重差があったけど、それを抜きにしても強い。彼はまだまだ強くなる」と強調。自身の攻撃が通じず「距離の取り方、タイミングが難しい。対策していたけど……もっと距離を詰めたかったけど、ステップバックで彼が一歩上。全て言い訳になるが、彼の距離だと思う」と脱帽した。

 1月の3戦目は初の世界ランカーを相手に圧倒し、相手の棄権で3回終了TKO勝ちした。現在の世界ランクはバンタム級でWBA7位、WBC12位、WBO10位。東洋太平洋は3位、WBOアジアパシフィックは1位、日本ランクはスーパーバンタム級で4位。戦前に「場を支配する」と宣言した通り圧勝し、格闘技戦績を51戦全勝にした。

 ロドリゲスは昨年11月に元WBA世界スーパーフライ級王者でWBA世界バンタム級4位だったカリド・ヤファイ(英国)に初回KO勝ち。世界ランクはWBA4位につけ、死角からの右フックを武器としていた。現在の世界バンタム級王座はWBAに井上拓真、WBCに中谷潤人、IBFに西田凌佑、WBOに武居由樹が就き、日本人が独占。バンタム級で世界王座戴冠を見据える那須川は、近い将来の地域タイトル挑戦が期待されている。

(THE ANSWER編集部)