男性の更年期障害は長期化しやすいって本当? 治療は何するの? 生涯続くとの噂…

写真拡大 (全2枚)

男性更年期障害の治療は、注射と塗り薬でテストステロンを補充したり、漢方薬の投薬治療を行うそうです。治療の上での注意点と合わせて、代官山パークサイドクリニックの岡宮先生に詳しく解説してもらいました。

※この記事はMedical DOCにて【男性更年期障害を予防するために大事なコトとは】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

≫ 男性更年期障害を予防するために大事なコトとは

監修医師:
岡宮 裕(代官山パークサイドクリニック)

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院腎臓・内分泌・代謝内科入局。その後、横浜市立市民病院、静岡赤十字病院、練馬総合病院などに勤務。2009年、「代官山パークサイドクリニック」を開院。「体に負担の少ない、一人ひとりに最適な治療」をモットーに、症状やニーズにじっくりと耳を傾けながら診療をおこなっている。

編集部

男性更年期障害の治療法も知っておきたいです。

岡宮先生

まずは問診により、現在の状態や既往歴を伺います。その後、採血をしてテストステロンの数値を調べます。男性更年期障害の診断がついたら、テストステロンの補充療法や漢方薬など投薬治療をおこないます。

編集部

テストステロンを補充することもできるのですか?

岡宮先生

はい。注射と塗り薬によって補充することができます。個人的には、効果を考えると注射によるテストステロンの補充をおすすめしています。ただし、テストステロンを投与すると精子を作る機能が制限されることがありますし、前立腺がんや肝臓病がある場合にはテストステロンの投与をおこなうことができません。加えて、睡眠時無呼吸症候群の人や多血症の人も、テストステロンを補充すると症状が悪化するリスクがあるので、その場合は医師にご相談ください。

編集部

治療にあたって注意すべきことはありますか?

岡宮先生

女性の更年期障害と違って、男性の更年期障害は長期化しやすい点には注意が必要です。女性の場合は閉経前後の10年間くらいに症状が現れるとされていますが、男性の場合は長ければ生涯続くこともあります。そのため、じっくり病気と向き合い、長期的に生活習慣を変えることが必要になります。男性更年期障害の予防や治療は、QOLを上げて健康で長生きすることに役立つので、ぜひポジティブに取り組んでいただきたいですね。

編集部

ほかに、治療での注意点はありますか?

岡宮先生

男性で更年期障害に悩む人は、しばしば心理的なトラブルを抱えている場合もあるため、場合によっては精神科医などによるメンタルケアが必要になることもあります。更年期障害を発症する時期は、ちょうどうつ病の好発時期と重なります。もし、「うつっぽいな」という自覚があったら、早めに精神科へ受診して相談をするようにしましょう。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

岡宮先生

女性の場合、友達や家族に悩みを相談したり、共有したりする人が多いのですが、男性の場合は悩みを誰にも相談せず、1人で抱え込む人が多い傾向にあります。男性ならではの特徴かもしれませんが、男性更年期障害は長期にわたって続く問題です。「もしかして、更年期障害かな」と思ったら、ぜひ医療機関を頼ってください。悩んでいるのは自分だけではないと気がつけば勇気が出ると思いますし、医師による適切な診断で不調を解消できると思います。