書類送検された伊東純也(写真・共同通信)

 日本中のサッカーファンを巻き込んだ大騒動から約半年--。ついに事態は最終局面を迎えた。サッカー仏リーグ1部のスタッドランス所属の伊東純也が女性2人から準強制性交罪で告訴され、後に伊東側が女性二人を虚偽告訴罪で逆告訴した事件について、大阪府警は7月2日、伊東と女性2人をそれぞれ、大阪地検に書類送検したのだ。

「そもそもの発端は、2023年6月21日のことです。大阪でおこなわれた代表戦後、タレントのA子さんとB子さんは、ホテルで泥酔させられたうえ、伊東と彼の専属トレーナーから性加害を受けたと主張。女性らは1月18日に準強制性交等罪で伊東を刑事告訴しました。一方、伊東側はこうした主張を断固否定。女性2人の告訴は虚偽であると逆告訴したうえ、民事でも損害賠償を求めています。アジアカップの最中に『週刊新潮』がこの事件を報じ、伊東は代表を離脱させられました」(社会部記者)

 伊東と女性2人が書類送検されたということは、警察による捜査が終了し、今後は検察が双方を起訴するのか不起訴とするのか、判断することになる。

 書類送検を受けて伊東の代理人を務める加藤博太郎弁護士は、会見を開き、

「不起訴の公算が大きい。逮捕されないで送検されているところで、伊東選手が女性側が告訴をおこなった事実の行為をおこなっていないことをご理解いただいていると認識している」

 とまさに自信満々に答えていた。

 本誌はこれまで、双方が警察に提出した告訴状の中身や、伊東が性加害をおこなったとする日の朝のホテル内での動画、A子さんが事件後に所属事務所の社長に送ったLINEを独自に入手している。

 例えば女性らの主張を取り上げた「週刊新潮」の記事では、B子さんが性加害を受けた際、「身につけていたワンピースもたくし上げられて、胸まではだけている状態だった」と描写されており、さらに翌朝7時、X氏が4人を起こすために部屋にやってきた際、女性2人は「胸などが露わな状態」だったと記されている。しかし、本誌が入手した動画には、衣服の乱れもない“ジャージ姿”で眠るB子さんの様子が収められていた。

 また、A子さんは事件の後、ホテルで伊東の部屋を訪れたことについて『純也さんにいい思いさせてあげる会なのかな』という認識だったと明かし、『Xさんが部屋からでっていったのでむしろ任せた!って捉えたところもありました』(原文ママ)というLINEを所属事務所の社長に送っていたことを確認している。

「当初から、女性2人が訴える内容には“不思議な点”が多く存在し、伊東選手が真っ向から否定していることからも、捜査の行方が注目されていました」

 結局、警察はどのような“結論”にいたったのか。事件を取材した大手紙の司法担当記者がこう明かす。

「捜査を担当した大阪府警は、伊東と女性2人にいずれも、『起訴を求めない』旨の意見書を付けたようです。じつは、実際に捜査を担当した府警関係者が6月初旬に、『捜査は終結した。いつでも送検できる』と記者クラブ所属の記者に話していたそうです。わざわざこのような意見書が付けられたことから考えても、伊東は近々に不起訴になる可能性が高いでしょう。一方、女性2人については“厳しい意見書”を付けるべきという府警幹部もいたそうです。ただ、実際に虚偽告訴を立証するのは非常にハードルが高い。検察がどう判断するか不透明です」

 さらに、同事件の関係者は、伊東の捜査について“異例の事態”があったと語る。

「虚偽告訴罪については、女性2人はもちろん、刑事告訴を担当した弁護士が、“重要参考人”として8時間以上もの任意聴取を受けたそうです。“重要参考人”とは、捜査次第で共犯だと疑われかねない人物ですからね……。一方、伊東選手は一度も任意聴取すら受けていないそうです。つまり、警察は最初から女性側を強く疑っていたということでしょう。少なくとも、伊東選手が任意聴取すらされないまま、起訴されることはありえません」

 伊東が受けた捜査について加藤弁護士に尋ねたところ、

「たしかに、伊東氏は府警から一回も任意聴取を受けていません。事件直後、一度だけ、軽く事情を聞かれただけで、それきりなんですよ」

 と認めたうえで、

「私としては、今後は検察が一刻も早く嫌疑なしの不起訴処分を出してくれることを期待するだけです。伊東氏は女性2人への処罰を強く求めると同時に、『早く代表に復帰したい』と話していました」

 と語った。

「不起訴になれば、伊東選手がサッカー日本代表のアジア最終予選に招集されるのは間違いないでしょう。初戦は、9月10日の中国戦です。日本はサウジアラビアやオーストラリアなどアジア内では“死の組”に入りました。気の抜けない戦いが始まる中で、伊東選手の戦力は非常に貴重です」(サッカーライター)

 いよいよ“サムライ”が戻ってくるのかーー。