女性議員、増えているけど地域差あり
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、6月26日の放送では「政界におけるジェンダーギャップ」について、共同通信編集局員の西野秀が、共同通信のデータも用いながら解説した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「7月7日の東京都知事選挙、立候補した56人のうち、現職知事の小池百合子候補や蓮舫候補ら7人の女性候補がいます。一方で東京都港区、今月2日行われた区長選挙で清家あいさんが現職候補を僅差で破って。明後日、港区長に就任することになります」
長野智子「男性の方がこうして積極的に(政界におけるジェンダーギャップを)取り上げて下さるのはとてもうれしい」
西野秀「女性リーダーという言い方がまだ日本にあるじゃないですか。そういう言葉自体がなくなっていかなければいけないと思いながら、資料をあさってみました」
長野「まず地方選挙のデータ変化からいきますか」
西野「総務省が選挙のデータを出しているんですけど、ジェンダー視点で男女共同参画局というところがまとめているんですね。地方選挙で女性の数がどう増えてきたか、というのを見ると、1987年ごろまではだいたいの地方議会で10%程度に低迷していたんです。でも年号でいうと平成の時代には上がり始めています。2019年と2023年(前回)を比べると都道府県議会も政令指定都市の議会も一般の市議会も女性の議員の方、増えています」
長野「維新なんかも増やしてね」
西野「政党の中には候補者の数の基準みたいなもの、それもクオータの一種なんですけど、そういうことを定めているところがあります。立憲民主や共産、国民民主、社民党みたいなところは積極的に女性候補を擁立する、というかたちになっています」
長野「なぜ『維新が増やした』という話をしたかというと、私がしている国会の勉強会で、2021年から始めたんですけど、維新から出ている石井苗子さんがずっと『うちの党はマッチョで、マッチョで。女性議員を増やすなんて遠い道』とおっしゃっていた。でもこの間の統一地方選挙でバッと増やしたでしょう?」
鈴木「はい」
長野「石井さん、どうしたんですかと聞いたら『マッチョなのは依然マッチョなんだけど、維新というのは有権者の空気を読むのがうまい』と。有権者が統一の、地方議会選挙もそうだけど生活に根差した女性議員がもっと増えたほうがいいんじゃないか、と。そういう空気を読んですごく増やした、という話をしていたんですね」
西野「なるほど」
長野「自分の1票って役に立たないんじゃないか、とよく言うけど、そういう有権者の声ってすごく神経を張って党は見ているから、有権者の声が届けば女性の候補が増える、というのはあるんです」
西野「維新にとっては大阪の地域政党というのが全国的に展開する、それから東京で拠点をつくりたい、という中で、そこまで考えたのでは、と思います」
長野「いつも思うんですけど、都市部と都市部以外って、差はあるんですか?」
西野「そうですね。東京23区の区議は立候補者でいえばもう、3分の1が女性です。他方、町村議会というと立候補者が6、7人に1人と。やっぱりそこは違います。東京は人々の活動が盛んなところなので、出やすいのかなと。(私が)高知にいた経験からして、地方議会を見ると女性が出やすいのは都会かな、という気はします」
長野「私、取材したんです。数限られた地方になるんですけど、どうしても地方は政治が女がやるもんじゃない、とか。女性候補が、子育て中の女性から『子供が大きくなってからやりなさい』と言われるとか。都市部に比べてそういう部分は強いと聞きますね」